厚くお礼を申し上げます。
ご存知の方も多いと思いますが、門倉直人さまは日本最初の本格的オリジナルファンタジーRPG『ローズ・トゥ・ロード』(1984)のデザイナーであり、その後も最前線をひた走ってきた、日本アナログゲーム界における最も重要なパイオニアの一人です。
今年2010年には『ローズ・トゥ・ロード』の最新版(通称『Wローズ』)が発売され、その“言語”に徹底してこだわりぬいたデザイン・コンセプトはRPG界に衝撃を与えました。私は本作をジェイムズ・ジョイスの魂を持ったRPGだと思っており、本作が市場に並んだことを今年最大の広義のSFにおける事件だとも思っております。
それでは、ご本人の許可をいただきまして、この場を借りて、門倉さまの祝辞をご紹介させていただきます。(岡和田晃)
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アナログゲーム研究会、これから有意義に発展してくれると良いですね。
デジタルゲームは(今のところ)限局される感覚レベルの高いものゆえ「エッジの鋭い強力な記号」として人の心や文化へ良くも悪くも大きな影響力を与え続けていくでしょう。
とっても強いメディアです。
対してアナログゲームは、その統合感覚的で曖昧模糊とした(現状のデジタルとは全く異質な)強みをもっています。その人の心における非言語な影響力は計り知れません。
とっても深いメディアです。
任天堂を端緒として色々と始まっていますが、やがてはデジタルメディアもアナログ的な統合感覚的アプローチ、直感的操作をどんどん進めていくでしょう。
キーワードは、ユビキタスセンサーネットワークとして融合することだろうと、個人的には感じています。
この知的分野の深度を「魔法的に」これからも深めていってくださいまし。
(門倉直人)

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