2021年10月09日
Peaks of Phantasyシナリオ『英雄の祭典』
2021年10月3日配信の「FT新聞」No.3175の日曜ゲームブックに、作:倉野一、監修:岡和田晃/水波流「『Peaks of Phantasy』シナリオ 英雄の祭典」が全文掲載されました。
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Peaks of Phantasyシナリオ 『英雄の祭典』
作:倉野 一
監修:岡和田晃/水波流
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【本シナリオは岡和田晃が東海大学文芸創作学科で2021年度春学期に開講したゲームデザイン講義で提出された課題レポート(創作)の優秀作を、ほぼそのままの形で「FT新聞」で配信するものです。講義内でプレイした『Peaks of Phantasy(ピークス・オブ・ファンタジー)』のシステムを使用しています。
○はじめに(岡和田晃)
本作は2021年5月21日配信の「FT新聞」No.3035に掲載された「Peaks of Phantasy(ピークス・オブ・ファンタジー)のシナリオ「人形たちの意思」(作:角霧きのこ、監修:岡和田晃/水波流)のオマージュとなります。オマージュ元シナリオの都合上(とネタバレ防止のため)、「人形たちの意思」を先にプレイしておくことを推奨します。
・「人形たちの意思」(再録)
https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/TheWillofTheDolls.pdf
本作は1人用のゲームブック形式のソロアドベンチャーとしてプレイが可能ですが、その後はぜひ、1 on 1 形式のRPGとしてプレイしてみてください。
『ピークス・オブ・ファンタジー』とは伏見健二氏がFuyuki名義でデザインしたRPGで、グランペールから2003年に発売されました。ルールをお持ちの方は、そちらを使用してプレイが可能ですが、お持ちでない方も、以下に公開されているオープンソースRPG『2DR』を使って遊ぶことが可能です。
http://gg99.web.fc2.com/2drbasic001.txt
https://w.atwiki.jp/etersia/pages/24.html
プレイの際は、プレイヤーがロールした6の出目をEP(エフェクトポイント)として記録するほか、敵の攻撃のダイス目で6を振った数をDP(デスシャドウポイント)として記録しておいてください。『ピークス・オブ・ファンタジー』のルールに従い、それぞれ適宜使用することもできます(DPのルールは、『2DR』にはありませんので、そちらでプレイされている方は、シナリオの指示にしたがってください。
余談ですが、伏見健二氏の最新の仕事として、岡和田晃編『再着装の記憶 〈エクリプス・フェイズ〉アンソロジー』(アトリエサード、2021年)に収められた小説「プロティノス=ラヴ」があり、ご興味のある方はぜひ触れてみてください。
◯オープニング
人形師ジルベールの目論見が破れる、数か月前――。
1人のワンダラー(放浪者に身をやつした英雄、あるいは、はした金【ワン・ダラー】のために殺しに手を染める者とも呼ばれる)の来訪とともに、英雄の街・プロムセイオスに危機が訪れようとしていた。
所持金と武具以外のキャラクター作成が終わり次第、1へすすめ。
↓続きはこちら
https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/Festival_of_Hero.pdf
2021年05月16日
Peaks of Phantasyシナリオ『人形たちの意思』
2021年5月21日配信の「FT新聞」No.3035で、Peaks of Phantasyシナリオ『人形たちの意思』(作:角霧きのこ、監修:岡和田晃/水波流)が配信されました。ソロアドベンチャーとしてプレイした後は、1 on 1 のシナリオとしてGMしましょう。ルールブック未所持でも問題なし!
序文等で体裁を整えて、伏線の機能性を強化しましたが、文章をほぼ、そのままで使えたのは、学生優秀作では初めてのことでした。マルチエンディングであることが意識されている作品です。
伏見健二さん曰く、「ピークスオブファンタジーはまさにゲームマーケットの黎明期、グランペールブランドのローンチタイトルの一つとしてリリースされました。世界に300セットしか存在しないボックスTRPG。」
グランペールが、尖ったコンセプトで少部数の実験作を(しかも商業作品として)出す、という試みは、遊戯史的にも非常に画期的で、今見ると完全に時代を先取り、正しかったですね。『ピークス・オブ・ファンタジー』はご許可を頂き講義内で長く使ったので、GM経験した学生も多いタイトルになりました。
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Peaks of Phantasyシナリオ 『人形たちの意思』
作:角霧きのこ
監修:岡和田晃/水波流
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【本シナリオは岡和田晃が東海大学文芸創作学科で2019年度秋学期に開講したゲームデザイン講義で提出された課題レポート(創作)の優秀作を、ほぼそのままの形で「FT新聞」で配信するものです。講義内でプレイした『Peaks of Phantasy(ピークス・オブ・ファンタジー)』のシステムを使用しています。】
○はじめに(岡和田晃)
あなたは『Peaks of Phantasy(ピークス・オブ・ファンタジー)』をご存知ですか?
2003年にグランペールから発売されたボックス型のRPGで、デザイナーはFuyuki(伏見健二)。
このシステムが特徴的なのは、なんといっても、2人専用のRPGだということ。クラシックD&Dの『Blade of Vengence』(ジム・バンブラ作、1984年)のように、1 on 1 でデザインされたRPGの先例はありますが、国産では嚆矢と言うことができます。
シンプル&スピーディーなシステムで、RPG未経験者への紹介にも適しています。私は隠れた傑作だと断言します。
世界観はダークファンタジー。雰囲気が近いのは〈コナン〉、〈エルリック・サーガ〉、〈ファイティング・ファンタジー〉などのオールドスクール・ファンタジーでしょうか。
本作のシステムは、オープンソースRPG『2DR』の元になりました。
『モンスターメーカーRPG リザレクション』(エンターブレイン、2002年)のシステムを簡易化したもので、『ブルーフォレスト物語 リバイバル・エディション』(グランペール、2008年)の付属CDとして掲載され、ウェブでも以下のリンク先で自由に閲覧することができます。
http://gg99.web.fc2.com/2drbasic001.txt
https://w.atwiki.jp/etersia/pages/24.html
事実、エテルシアワークショップのRPGの多くは、「2DR」のカスタマイズとしてデザインされています。
本シナリオは『ピークス・オブ・ファンタジー』をお持ちの方はそちらで、未所持の方は『2DR』のルールを用いてキャラクターを作成し、まずはソロアドベンチャーとしてプレイしてみて下さい。それが終われば、1 on 1のシナリオとして、あなたがGMとなり本作をマスタリングしていただければと思います。
なお、「2DR」を用いる場合、すべての能力初期値を「5」ではなく「6」にしてください。シナリオ中で登場するモンスターは、上記リンク先の「2DR」のルールに記載があるので、参照してください。また、EP(エフェクトポイント)を記録するほか、敵の攻撃のダイス目で6を振った数をDP(デスシャドウポイント)として記録しておいてください。DPはEPと同様、溜まれば敵を強化するために使用することができます(「ソロプレイで敵を強化すると不利になる」って? そんなことはありません。適宜、DPを消費したほうがいいこともあるのですよ)。
作者の角霧きのこ氏は劇団プロットプラネット所属で、劇団員が演じるマーダーミステリー『月陰村の人狼』(https://www.youtube.com/watch?v=fGJVpvsDUUU)の動画配信なども行っています。
――それでは、1へ進んでください。
↓続きはこちら
https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/TheWillofTheDolls.pdf
序文等で体裁を整えて、伏線の機能性を強化しましたが、文章をほぼ、そのままで使えたのは、学生優秀作では初めてのことでした。マルチエンディングであることが意識されている作品です。
伏見健二さん曰く、「ピークスオブファンタジーはまさにゲームマーケットの黎明期、グランペールブランドのローンチタイトルの一つとしてリリースされました。世界に300セットしか存在しないボックスTRPG。」
グランペールが、尖ったコンセプトで少部数の実験作を(しかも商業作品として)出す、という試みは、遊戯史的にも非常に画期的で、今見ると完全に時代を先取り、正しかったですね。『ピークス・オブ・ファンタジー』はご許可を頂き講義内で長く使ったので、GM経験した学生も多いタイトルになりました。
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Peaks of Phantasyシナリオ 『人形たちの意思』
作:角霧きのこ
監修:岡和田晃/水波流
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【本シナリオは岡和田晃が東海大学文芸創作学科で2019年度秋学期に開講したゲームデザイン講義で提出された課題レポート(創作)の優秀作を、ほぼそのままの形で「FT新聞」で配信するものです。講義内でプレイした『Peaks of Phantasy(ピークス・オブ・ファンタジー)』のシステムを使用しています。】
○はじめに(岡和田晃)
あなたは『Peaks of Phantasy(ピークス・オブ・ファンタジー)』をご存知ですか?
2003年にグランペールから発売されたボックス型のRPGで、デザイナーはFuyuki(伏見健二)。
このシステムが特徴的なのは、なんといっても、2人専用のRPGだということ。クラシックD&Dの『Blade of Vengence』(ジム・バンブラ作、1984年)のように、1 on 1 でデザインされたRPGの先例はありますが、国産では嚆矢と言うことができます。
シンプル&スピーディーなシステムで、RPG未経験者への紹介にも適しています。私は隠れた傑作だと断言します。
世界観はダークファンタジー。雰囲気が近いのは〈コナン〉、〈エルリック・サーガ〉、〈ファイティング・ファンタジー〉などのオールドスクール・ファンタジーでしょうか。
本作のシステムは、オープンソースRPG『2DR』の元になりました。
『モンスターメーカーRPG リザレクション』(エンターブレイン、2002年)のシステムを簡易化したもので、『ブルーフォレスト物語 リバイバル・エディション』(グランペール、2008年)の付属CDとして掲載され、ウェブでも以下のリンク先で自由に閲覧することができます。
http://gg99.web.fc2.com/2drbasic001.txt
https://w.atwiki.jp/etersia/pages/24.html
事実、エテルシアワークショップのRPGの多くは、「2DR」のカスタマイズとしてデザインされています。
本シナリオは『ピークス・オブ・ファンタジー』をお持ちの方はそちらで、未所持の方は『2DR』のルールを用いてキャラクターを作成し、まずはソロアドベンチャーとしてプレイしてみて下さい。それが終われば、1 on 1のシナリオとして、あなたがGMとなり本作をマスタリングしていただければと思います。
なお、「2DR」を用いる場合、すべての能力初期値を「5」ではなく「6」にしてください。シナリオ中で登場するモンスターは、上記リンク先の「2DR」のルールに記載があるので、参照してください。また、EP(エフェクトポイント)を記録するほか、敵の攻撃のダイス目で6を振った数をDP(デスシャドウポイント)として記録しておいてください。DPはEPと同様、溜まれば敵を強化するために使用することができます(「ソロプレイで敵を強化すると不利になる」って? そんなことはありません。適宜、DPを消費したほうがいいこともあるのですよ)。
作者の角霧きのこ氏は劇団プロットプラネット所属で、劇団員が演じるマーダーミステリー『月陰村の人狼』(https://www.youtube.com/watch?v=fGJVpvsDUUU)の動画配信なども行っています。
――それでは、1へ進んでください。
↓続きはこちら
https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/TheWillofTheDolls.pdf
2021年05月02日
『トンネルズ&トロールズ完全版』用ソロアドベンチャー「青龍奇縁」
本日2021年5月2日の「FT新聞」No.3021で、『トンネルズ&トロールズ完全版』用のソロアドベンチャー『青龍奇縁』が配信。
これは中国人留学生アダジョ氏が東海大学文芸創作学科の講義で提出した作品を原案とし、岡和田晃が徹底改稿したオリエンタルアドベンチャーです。
T&Tでフランク・オーウェンや金庸ばりの武侠!? という面白さもあるのですが、伏見健二『ピークス・オブ・ファンタジー』の未発表の第2版の資料「アイスバーン」も使っており、そういった意味でも貴重な作品だと思います。
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『トンネルズ&トロールズ完全版』用ソロアドベンチャー
「青龍奇縁」
著:岡和田晃/アダジョ
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●はじめに
このシナリオは『トンネルズ&トロールズ(T&T)完全版』のソロアドベンチャーです。プレイのためには、『T&T完全版』のルールブックまたは簡易ルールが必要です。簡易ルールは、『傭兵剣士』『コッロールの恐怖』『怪奇の国のアリス』等の〈T&Tアドベンチャーシリーズ〉に収められています。また、「GMウォーロック」創刊号のミニソロアドベンチャーに付属しているQRコードから、よりハンディなミニルールにジャンプすることも可能です。
●本シナリオについて
本シナリオは2019年度秋学期に岡和田晃が東海大学文芸創作学科で開講したゲームデザイン論のレポートの優秀作品を原案とし、ディベロップメントをやり直しつつ日本語表現の徹底改稿を施したものです。
アダジョ氏は中国人留学生で、本シナリオは金傭『天龍八部』など武侠小説の影響を受けており、フランク・オーウェンの小説のようなユニークなオリエンタル・ファンタジーに仕上がっています。
なお、設定の一部は、『ピークス・オブ・ファンタジー』の第2版(未発表)のために伏見健二氏がデザインしていた「アイスバーン」を参考にしています(許諾済)。
「FT新聞」掲載にあたっては、水波流編集長の助言を得て、さらなる改稿を加えました。関係各位にこの場を借りて感謝します。
↓続きはこちら
https://ftbooks.xyz/ftnews/gamebook/QingLongQiChuan.pdf
『トンネルズ&トロールズ完全版』用シナリオ『運命の森で待つ試練』
2020年11月17日付、FT書房のメールマガジン「FT新聞」No.2855で、『トンネルズ&トロールズ完全版』用シナリオ『運命の森で待つ試練』(作:岡和田晃/英真弥)が配信されました。
本作は内容からしてFT新聞向きだと思い、提案した次第です。アーカイブからも読めます。
非営利の無料公開シナリオですが、作りは本格的です。プレイにあたっては、『トンネルズ&トロールズ完全版』のルールが必要です。手軽にプレイするならば、『コッロールの恐怖』の簡易ルールを使うのがオススメ。付録の地図を参照すれば、導入が呑み込みやすくなります。
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トンネルズ&トロールズ完全版シナリオ
『運命の森で待つ試練』
作:岡和田 晃/英 真弥
地図:英 真弥
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●0:シナリオの成り立ちとレギュレーション
岡和田晃は、東海大学文芸創作学科でゲームデザイン&幻想文学論を2018年度の春学期から受け持っています。前任校も含めれば2016年度から、ファンタジーやホラーの古典的な小説を読みながら、実際にRPGを講義内でワークショップとしてプレイし、その成果をオリジナル・シナリオやソロ・アドベンチャー、あるいはリプレイや小説に仕上げるといった一風変わった試みをしているのです。
今回ご紹介するのは、2019年度の秋学期に期末レポートとして提出されたRPGシナリオの優秀作です。「FT新聞」掲載にあたっては、学生(英 真弥氏)の提出作を原案とし、その持ち味を活かしながら、岡和田晃が文章を加筆修正、根底からディベロップメントをやり直し、舞台を〈トロールワールド〉の設定に適合させました。充分にプレイできる内容になっていることと思います。
本シナリオは作りたてのキャラクター3〜4人用の冒険で、2〜3時間ほどで終わる入門シナリオです。『コッロールの恐怖』で扱われる危険地帯に、駆け出しの迷宮探検家が足を踏み入れてしまったら……という導入で、太古のエルフの姫が挑む試練に、探検家たちは協力することになります。
戦闘バランスやダンジョンの攻略難易度は海外シナリオと比べると、かなり甘めなので、初心者GMにも適しています。
プレイするためには、『トンネルズ&トロールズ完全版』の基本ルールブックないし〈T&Tアドベンチャー・シリーズ〉に付いている簡易ルールが必要です。『コッロールの恐怖』に掲載されている地図を使いますので、『コッロールの恐怖』を入手し、その簡易ルールを使用するのもよいでしょう。
一部の設定は『モンスター! モンスター!』(『T&T完全版』用)掲載の情報を使用していますが、所持していなくても問題なくGMできます(あれば、より良い雰囲気の演出ができるようになります)。
ちなみに舞台の「運命の森」は、〈ファイティング・ファンタジー〉のゲームブックとは無関係です。しかし、吉里川べお氏が「T&T研究室」(「TtTマガジン」創刊号〜「ウォーロック・マガジン」Vol.6連載)で繰り返し強調しているように、〈トロールワールド〉は複数の現実の結節点だというのも、また事実なのを忘れずに!
↓続きはこちら
https://ftbooks.xyz/ftnews/article/The_trial_in_forest_of_destiny.pdf