【活動報告】Analog Game Studies 第2.5回読書会報告
岡和田晃
―――――――――――――――――――――――――
去る10月某日、Analog Game Studies有志による臨時読書会として、中山元編訳『メルロ=ポンティ・コレクション』(ちくま学芸文庫)の研究が行なわれました。今回はゲストとして、第47回文藝賞最終候補となった安藤魚晴さまにお越しいただき、議論にご参加いただきました。
本読書会が開催されたきっかけは、看護教育におけるWeb記述の活用や、Webコンテンツの看護教育への導入を研究されている、元遊演体代表の小泉雅也さまよりご教示いただいた、パトリシア・ベナーの論文「看護実践の合理性と働きに果たす身体化、感情、生活世界の役割」(「現代思想」2010年5月号所収)からの派生議論に依拠しています。
ベナーの論文では、看護実践の現場における「実践知」という提起がなされています。その際に援用されるのが、哲学者メルロ=ポンティの思想です。
メルロ=ポンティは、社会的に形作られ、身体化された行為を捉える「働き(エージェンシー)」という視点を持っていました。メルロ=ポンティ以前にはデカルト−カントが「働き(エージェンシー)」についての議論を提示していました。ただしベナーの言うところでは、デカルト−カントの考え方は機会論的決定主義であり、メルロ=ポンティの視点とは異なるものとされました。
メルロ=ポンティの「働き(エージェンシー)」という視点は「実践知」についてより深い考察を導くものとなっています。また、メルロ=ポンティの「働き(エージェンシー)」という視点は、身体そのものを論じる視点も開くものです。
つまり「働き(エージェンシー)」の視点は身体論の一部であるとも言えるでしょう。
ライブアクション・ロールプレイングゲーム(LARP)や代替現実ゲーム(Alternative Reality Game、ARG)、伝統ゲームの「東八拳」など、身体を用いるゲームは、アナログゲームの新たな可能性を示すものとして重要です。身体論に関する知見は、それらのゲームを考える際に威力を発揮するでしょう。
ただし本読書会では、その文脈のみに囚われず、『メルロ=ポンティ・コレクション』で一章が割かれているセザンヌの絵画や、ドイツ観念論哲学(とりわけ、シェリングの「知的直観」)、あるいは藤枝静男のエッセイ「妻の遺骨」や、アラン・ロブ=グリエの映画『グラディーヴァ マラケシュの裸婦』についてなど、多様な話題について意見交換がなされました。
Analog Game Studiesでは、本ウェブログや各種メディアを通じたアウトプットのほかにも、こうした研究活動をも継続していきたいと考えております。
![現代思想2010年5月号 特集=現象学の最前線 間文化性という視座 [ムック] / パトリシア・ベナー, 田口 茂 (著); 谷 徹, 松葉 祥一, 熊野 純彦 (その他); 青土社 (刊) 現代思想2010年5月号 特集=現象学の最前線 間文化性という視座 [ムック] / パトリシア・ベナー, 田口 茂 (著); 谷 徹, 松葉 祥一, 熊野 純彦 (その他); 青土社 (刊)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51U7l17wRRL._SL160_.jpg)



![恋愛のフツーがわかりません!!―ゆらぎのセクシュアリティ考2 [単行本] / 迫 共, 今 将人 (著); ROS (編さん); アットワークス (刊) 恋愛のフツーがわかりません!!―ゆらぎのセクシュアリティ考2 [単行本] / 迫 共, 今 将人 (著); ROS (編さん); アットワークス (刊)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51ApmMQhPzL._SL160_.jpg)
![展覧会の絵 (ADVENTURE GAME NOVEL) [単行本] / 森山 安雄 (著); 創土社 (刊) 展覧会の絵 (ADVENTURE GAME NOVEL) [単行本] / 森山 安雄 (著); 創土社 (刊)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/514V05NAWBL._SL160_.jpg)
![水の中、光の底 [単行本] / 平田 真夫 (著); 東京創元社 (刊) 水の中、光の底 [単行本] / 平田 真夫 (著); 東京創元社 (刊)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51TA%2BgI%2BpsL._SL160_.jpg)
