2012年05月07日

IGDA日本関連イベント;ゲームコミュニティサミット2012に、Analog Game Studiesが参加します!

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IGDA日本関連イベント;ゲームコミュニティサミット2012に、Analog Game Studiesが参加します!

 岡和田晃

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 ゲーム開発者を対象とした国際NPO、国際ゲーム開発者協会日本(IGDA日本)関連イベント「ゲームコミュニティサミット2012」で、Analog Game Studiesメンバーが発表を行ないます!
 「ゲームコミュニティサミット2012」の概要は下記をご覧ください。

◆ゲームコミュニティサミット2012とは

 ゲームコミュニティサミット(GCS)は10を超えるゲーム開発者コミュニティ&勉強会が集結する、合同勉強会イベントです。
 近年、ゲーム開発関連のセミナーや勉強会が増えてきました。
 「これらをいっぺんに開いたら面白いんじゃないだろうか!」と思い立って企画したのが、このイベントです。

 GCSでは各コミュニティが普段行っている活動の延長として、それぞれ1時間のセッションを担当します。
 このように多様多種なコミュニティが厳選したセッションを、一日を通して受けられる機会はなかなかありません。
 また、次回足を運びたくなるような、お気に入りのコミュニティを見つけるチャンスでもあります。

 そして勉強会の醍醐味である懇親会も合同で行います。
 特定コミュニティの常連さんもそうでない方も、新しい出会いが期待できます。

 ぜひ一緒に楽しく学び、盛り上がりましょう!

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名称 ゲームコミュニティサミット2012(GCS2012)
開催日時 2012年6月16日(土)
11:00 - 18:00 (入場開始 10:30) 予定
会場 国立情報学研究所(東京都千代田区一ツ橋)
   (アクセス:http://www.nii.ac.jp/about/access/
主催 Game Community Summit 実行委員会
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https://sites.google.com/site/gamecomsummit/より)

 この「ゲームコミュニティサミット2012」に、Analog Game Studiesも参加させていただきます。
 AGSメンバーの齋藤路恵・蔵原大・高橋志行が、ARG(Alternative Reality Game)についての発表を行なう予定です。
 皆さま、お誘い合わせのうえ、ぜひご来場ください!
 以下、AGSメンバーの発表の概要をご紹介いたします。

【Analog Game Studies 発表概要】

 今後ARGのバリエーションの可能性について考察します。これまでARGとして取り上げられていなかった屋外型の遊びを事例にとります。例えばSCRAPのイベントや「放浪犬タクの旅」などを事例としてとりあげます。
 また、以下の問題について簡単に触れます。

● ARGにシナリオは必要なのか。
● ARGのシナリオはミステリに偏りやすいのではないか。
● ARGの自主開催は可能か。
● ARGは量産可能か。
● ARGはストリートを巻き込めるか。


【ARGの定義】

 ARG(Alternate Reality Game)とは、「現実をゲームの一部として取り込んだゲーム」のことである。通常、デジタルゲームであればデジタル空間がゲーム空間(プレイアブル空間)であり、ボードゲームであればボード上がゲーム空間であるが、ARGのゲーム空間は、現実の物理空間、社会的空間をゲーム空間の一部として取り込んだものである。ARGは、現実の中にもう一つの現実を作り出し、現実と仮想が交錯する空間の中でゲームを展開する。

 例えば、こんなARG の例を考えてみよう。学校で一枚の古い紙を発見する。そこには「私の中心を射抜いて探せ」という文字の下に大学構内の地図と星印のポイントが描かれている。その場所へ行くと、壁に数字が書いてある。数字は古い校舎で使われていた部屋番号であることがわかる。その番号を辿って部屋へ行くと、星印のついた箱がある。箱には屋上の鍵と双眼鏡が入っている。屋上から双眼鏡で見ると、これまで辿って来た経路が円を描いているのがわかる。その中心の場所へ行くと、一冊の本が隠されている。何のことはない、それは文芸部が自分たちの小説を読んで欲しいがためのトリックだった…という話。

 三宅陽一郎『「ARG 入門:体験型エンタテインメントの現在と未来」参加記―新しいコンテンツの展開の形 ARG(Alternate Reality Game)―』より(http://igda.sakura.ne.jp/sblo_files/ai-igdajp/ARG/JACHS_SIGARG_2010.pdf

posted by AGS at 12:46| ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年04月02日

【ニュース】日本アーカイブズ学会「デジタルコンテンツのアーカイブ化の現在とその課題――文化政策論の視座から」のご案内

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【ニュース】日本アーカイブズ学会「デジタルコンテンツのアーカイブ化の現在とその課題――文化政策論の視座から」のご案内

 蔵原大、岡和田晃

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 AGSメンバーの蔵原大と高橋志行氏が、「デジタルコンテンツのアーカイブ化の現在とその課題――文化政策論の視座から」という学会発表を行ないます(4月22日(日)の日本アーカイブズ学会〔 http://www.jsas.info/ 〕発表/学習院大学にて)。

 http://www.jsas.info/modules/news/article.php?storyid=101

 ところで皆さんは「アーカイブズ」という言葉をご存知でしょうか? 平たく言えば、図書館のように公共の場における情報が保存され、それを誰もが自由に閲覧できる場所や制度のことです。もちろん図書館はあちこちの町にあります。でもこれが「ゲームの図書館」となると、どうでしょう? ゲームは今や立派な文化に位置づけられていますが、放っておけばいずれ消えてしまいます。インターネットの世界でさえ、データに無限の寿命があるわけではないのです。

 ちなみに「ゲームアーカイブ」という産学官が連携した先駆的試み(1998年以来)はありますが、本格的な展開はまだこれから、という段階と言えるでしょう(2012年時点で)。
 http://www.gamearchive.jp/

 例えば1980年代に大流行した携帯デジタルゲーム「ゲームウォッチ」。任天堂から発売され、あんなに有名になったのに、今ではどの量販店でも扱われておらず、リサイクル店に出ることも稀です。それから家庭用ゲーム機の「ファミリーコンピュータ」や「メガドライブ」はどうでしょう? 同じように、幾百万円、幾千万円をかけてつくられたゲームも、どこかの公的機関できちんと保存され、みんなが見られるようにしておかないと、本当に消え去ってしまうのです。それって(特に商品開発のコストなどを考えると)もったいない話だと思いませんか?

 そういうわけで、本発表では、デジタル情報のアーカイブズ、特に「デジタルコンテンツ」と呼ばれる、社会に流通するひとまとまりの情報をアーカイブズの対象として見なすことの意義を、文化政策論とメディア論の双方の見地から明らかにします。その上で、物理的個体として扱うことの難しいそれらのアーカイビングを今後どのように行なっていくべきかを論じながら、いくつかの事例を踏まえてその方向性を検討することになります(多少ですがウォーゲーミング等も言及するつもりです)。

 今回は(時間の都合上)アナログゲームにはあまり触れませんが、ゲーム文化の保存、利活用という点で関係あるかと思い、お伝えした次第です。
posted by AGS at 18:16| ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年03月22日

Analog Game Studies(アナログ・ゲーム・スタディーズ)& イイトコサガシ交流ワークショップ「現代によみがえるわらべ遊びの数々」IN 豊島区心身障害者福祉センターを開催します!


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Analog Game Studies(アナログ・ゲーム・スタディーズ)& イイトコサガシ交流ワークショップ「現代によみがえるわらべ遊びの数々」IN 豊島区心身障害者福祉センターを開催します!

 草場純、岡和田晃

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 Analog Game Studiesでは、ゲームとそれ以外の社会的要素を繋ぐことを大きな目的としています。
 アナログゲームは、人と人とのコミュニケーションを促進し、よりよい社会参加を可能にするツールとして、大きな可能性を秘めていると私たちは考えています。そのため、福祉分野への応用可能性を研究し、ささやかながら実践に移してまいりました。

 今回はその一環といたしまして、“東京都成人(大人)発達障害(アスペルガー・ADHD等)当事者会「Communication Community・イイトコサガシ」ピアサポート・グループ”(以下、「イイトコサガシ」)さまと協力する形で、発達障害当事者(アスペルガー、ADHD、高機能広汎性等自閉症スペクトラム)にとって、コミュニケーションを試せる心地のよい「機会」となることを目標とするイベント「現代におけるわらべ遊びの数々」を開催することとなりました。

 講師を務めるのは、Analog Game Studies顧問にして、「伝統ゲームを現代にプレイする意義」を連載した草場純氏となります。発達障害当事者の方々、支援者の方々、あるいは発達障害当事者の方々との楽しいコミュニケーションのチャンスを持ちたいと思われている方々、この機会にぜひお越しください。

 イベントの詳細、および申込み方法や諸注意などは、「イイトコサガシ」さまのWebサイトをご覧ください。

 ※Analog Game Studiesでは、申込みを受付けておりません。あらかじめご了解をお願い申し上げます。


・2012年3月29日(木)Analog Game Studies(アナログ・ゲーム・スタディーズ)&イイトコサガシ交流ワークショップ「現代によみがえるわらべ遊びの数々」IN豊島区心身障害者福祉センター
http://iitoko-sagashi.blogspot.jp/2012/03/2012326analog-game-studiesin.html


 「わらべ遊び」(童遊び)とは、伝統ゲームの一種で、昔ながらの子どもの遊びのことを意味します。
 慌ただしい日常、一時、童心に帰ってみるのはいかがでしょうか。いずれもゲーム性に優れたものばかりで、子どもの遊びだからといって、決して侮ることはできません。
 現在、童遊びの中には、その遊びを知っているお年寄りが亡くなってしまうことで、遊びの継承が途絶えてしまうことが多くなっています。この機会に、ぜひ皆さまも童遊びを体感してみてください。

 当日は、次の童遊びをみんなでやりながら覚えていただく予定です。覚えたらよそでも遊んでみてくださいね。

 童遊びは童歌と強く結びついています。というより、古い童歌はみな遊びが付随していると言うべきでしょうか。遊びの名前とそれがどんな遊びなのか、簡単なリストを用意いたしました。
 これ以外に歌のない遊びがたくさんあります。
 一回ではとても遊びきれないので、このうちいくつかをプレイすることになります。


【童遊びの紹介】


『黒猫』  鬼交代の遊びです。鬼交代というのは、プレ鬼ごっこ、鬼ごっこの前段階の遊びです。
『鍋々』  ミキシングの遊びです。よく知られているナベナベとは二番が少し違います。
『青山墓地』 東京の手合わせ遊びです。これは知っている人も少しはいるかな?
『あんた嫌い』 罰遊び。今の言い方だと罰ゲームですね。
『お爺さんお婆さん』 鬼交替です。掛け合いがあるので黒猫より少し高度。
『蛍来い』  鬼交代ですが、輪も動くのでかなり高度ですね。
『なかなかほい』 リズム遊び・動作遊び
『お茶を飲みに』 ミキシング。
『烏・数の子』 増やし鬼。盛り上がります。
『堂々巡り』  文字通りどうどうめぐりの遊びです(笑)
『つうながれ』 いわゆる蛇ごっこです。
『竹の子』 これは身体接触の遊びですね。
『おてぶし』 当て物遊びです。古くは臓鉤と言った遊びです。
『今年の牡丹』 演技と問答の遊びです。
『子取ろ鬼』  子取り鬼とも言います。これは江戸時代の本にも載っているので知ってるかな?
『えべっさん』 鬼決めです。
『つる』 蛇ごっこですが、鍵遊びにも使います。
『どんど橋』 橋落としです。ロンドンブリッジと伝承関係があるのかも??
『初めの一歩』  動作遊び。よく「だるまさんがころんだ」と呼ばれる遊びです。
『あぶくたった』 創作問答の遊び
『花一匁』 人取り遊び。
『たまりや』 守り鬼遊び。
『釜鬼』  留守鬼遊び。
『梅と桜』 問答遊び。
『いっちくたっちく』 鬼決め。
『げっくりかっくり』 縄跳び遊び。
『くまさん』 縄跳び遊び。
『いろはに金平糖』 障害物。
  
 (リスト作成:草場純)


 なお、本イベントの開催に先んじて、Analog Game Studiesの有志は、「イイトコサガシ」さまの主催する「会話によるコミュニケーション能力向上ワークショップ」に参加し、発達障害の方々とコミュニケーションを楽しむ機会を得ました。

 まず、「会話によるコミュニケーション能力向上ワークショップ」についての説明は、お手数ですがイイトコサガシのウェブサイトの紹介文をご覧ください。

・「会話によるコミュニケーション能力向上ワークショップ」の説明
 http://iitoko-sagashi.blogspot.jp/2010/11/blog-post_23.html

 そのうえで、以下の「会話によるコミュニケーション能力向上ワークショップ」に参加した草場純氏のレポートをお読みくださり、「現代によみがえるわらべ遊びの数々」参加にあたっての参考としていただければ幸いです。(岡和田晃)

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「会話によるコミュニケーション能力向上ワークショップ」(イイトコサガシ)に参加して

  草場純

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 他人とコミュニケーションをとりにくい人に、ワークショップ、アイスブレイク・ゲームなどを通して、コミュニケーションの手がかりやコツを提供していくというのは、とても有意義な営みだと思いました。

 展開されたアイスブレイク・ゲーム(導入のための簡単なゲーム)の一つ一つもよく発案され、よく工夫されていました。


 またファシリテーターの説明は、言葉も明瞭で、指示が大変具体的で分かりやすく、次に何をやればいいかが参加者にはっきりわかって感心しました。指示が曖昧ですと、不安になったり意図せずイレギュラーな行動になったりしがちですが、明確なめあてと見通しがあれば、人はその能力を十分に発揮できるものだと認識を新たにしました。


 一番感心したのは、一つ一つのアイスブレイク・ゲームの後に、それが何の練習であったか、何のために行われたかの狙いについて、逐一詳しい説明がなされたことです。この解説を通して、何が養われたかが再認識されるだけでなく、参加者にとっても、いわゆるアスペルガーと言われたりする人たちが何を問題として抱え、何が越えにくい障壁として感じ、そしてそれを越えるためにはどうしたらいいかが、具体的な道筋と方法によって示されることになります。つまり具体的な行為を通して、参加者の抱える問題のありどころが解析されていくことになるなるのです。

 理解は超克への第一歩だと言われます。自分の、あるいは仲間の抱える共通の問題は何かを理解することは、それを乗り越えていくことの第一歩なのだと深く感じとりました。

 と、同時に、こうしたアイスブレイク・ゲームの一つ一つが、逆に発達障害当事者の方々の困難さを解析し逆算して、「こういう困難を抱えている。それは例えばこんなことが原因の一つになっている。ではその原因に対処するアイスブレイク・ゲームとしては、こんなことではどうだろうか。」と工夫し、考案されたものだということが、見て取れます。すなわち一つのアイスブレイク・ゲームの背後には、そうした考察と工夫と実践とそのフィードバックがたくさん潜んでいるのだと思われるのです。



 互いに肯定しあい、認め合い高めあう傾向にも感心しました。決して批判しないというのは、案外難しいことです。自らの梁には気づかず、他人の塵にはよく気づくのが人間の性です。しかし絶対批判しない、必ず褒めるとなれば、人間の性に寄りかかってはいられません。他人の褒めるべき点をどうあっても探さなければならないわけです。これは他人への肯定的な眼差しを生みます。肯定的な眼差しは人に安心感を与えるでしょう。

 逆の方面から見てみると、絶対批判されないとわかっているからこそ、安心してアイスブレイク・ゲームに取り組むことができ、安心して自分を出すことができるのだと思います。肯定的な眼差しの中でこそ、人はのびのびとできるのだと思います。特に傷を負ってきた人は、深く癒されることでしょう。


 ただし、強いて言うなら、実は褒めることは難しいことなのだと思います。

 例えば自分に即して考えて見ましょう。自分が自負していること、自身が努力したこと、などを褒められるととても嬉しいものです。しかし、そうでないことを褒められると、ちょっと複雑です。もちろん自分の新たな良さを見つけることもあるでしょうが、ピント外れだと感じたり、ひどい場合にはからかわれたと感じることすらあるかも知れません。

 これは、決して褒めることを否定しているのではありません。褒めることには、前述したような様々な効果があります。ですから褒めるなと言いたいのではなく、褒めるためには、本当によく相手を見なければならないと言いたいのです。それを促すためには、ファシリテーターは、時に褒め方を褒める必要があるでしょう。なかなか難しいことですが。



 最後に童遊びとの関連を述べてみます。

 日本の童遊びは、日本の文化の中で伝承されてきたものです。しかしながら、戦災や、戦後の混乱、そして高度成長による社会の変容の中で、多くは失われ、忘れ去られ、今消え去る寸前です。では単にそれを復興すればよいかというと、それほど単純なものではありません。

 童遊び喪失の背後には、それを支えてきた遊び集団の消失があります。これはもうおいそれとは戻ってきません。みんなで多数集まって遊ぶ遊び集団ではなく、みんなで少数集まって銘々携帯デジタルゲームをやる時代なのです。とするなら、童遊びは既にその役割を終えたと言うべきなのかも知れません。


 けれども、童遊びの中には我々(の前の世代ぐらい)が伝承してきた、日本文化の知恵が詰まっています。上記の文脈でそれを捉え返すならば、それは集団コミュニケーションの手段であり、ツールなのです。そうした意味で現代に生かせるならば、それは生きた伝承と言えるのではないでしょうか。願わくば童遊びの中から、新たなアイスブレイク・ゲームの素材を見出していただきたいものです。

 もう一点問題なのは、童遊びは古くからの口承伝承という側面があり、現代の観点からすると、時として差別的であったり、あるいは悪口雑言に近いものが混じっていたりすることがあります。童遊びはコミュニケーション・ゲームなので、こうしたものをどう捉えるのかという点においては、難しい問題を孕んでいます。

 まずは大前提として、ゲームによって差別が容認されること、差別が助長されることは、あってはなりません。そのうえで、参加者の心情をいたずらに傷つけないよう配慮をしつつ、童遊びの歴史的な意義を学んでいくことが大事になります。これについては、今後とも、皆さんと一緒に考えていきたいと思う次第です。

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2012年02月21日

【ニュース】日本デジタルゲーム学会(DiGRA Japan)2011年次大会で、研究発表「ウォーゲーミングの政治的活用:デジタル化による新領域開拓の実態」が行なわれます!


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【ニュース】日本デジタルゲーム学会(DiGRA Japan)2011年次大会で、研究発表「ウォーゲーミングの政治的活用:デジタル化による新領域開拓の実態」が行なわれます!
 
 岡和田晃

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 AGSメンバーの蔵原大氏が、このたび立命館大学で学会報告をすることになりました(2012/02/26)。


■日本デジタルゲーム学会(DiGRA Japan)2011年次大会でのゲーミフィケーション・セッション
 http://seriousgames.jp/2012/02/digra-japan-1.html


 日本デジタルゲーム学会(DiGRA Japan)は、日本国内における(公共教育など「シリアスゲーム」を含めた)デジタルゲーム研究の発展およびその普及・啓蒙を目指し設立された団体で、2006年04月に発足しました。国内には、AGS顧問の草場純氏が所属する日本遊戯史学会をはじめ、日本シミュレーション&ゲーミング学会、ゲーム学会など幾つかのゲーム研究学会がありますが、そうした中でも、DiGRA Japanは特にビデオゲーム産業に焦点を当てた研究活動がすでに多く蓄積されており、近年産官学の各分野から注目を集めています。たとえば過去、AGSメンバーの高橋志行氏は、「ゲームプレイ経験における設計・運用・受容」と題し、DiGRA JAPANで発表を行なったこともあります(2010年12月)。


 蔵原氏の発表テーマは「ウォーゲーミングの政治的活用:デジタル化による新領域開拓の実態」です。近年とりあげられている「ゲーミフィケーション」の延長として、各国行政府で(いままさに)活用されている各種「ゲーム」(という体裁で、実態は軍事演習・広報活動・プロパガンダなど諸々)の内実に触れたものです。アプローチとしては政治学・戦略学ですが、デジタルコンテンツ市場につながる関係省庁へのインタビューを踏まえた報告となっています。かつてAGSでもレポートしたSF乱学講座の内容ともリンクする発表になると思います。詳細は以下のウェブページをご参照ください。皆さま、お誘い合わせのうえ、ぜひ、お越しいただければ幸いです。(岡和田晃)


 DiGRA JAPAN 関連 : 日本デジタルゲーム学会2011年次大会の開催詳細を公開いたします
 https://www.digrajapan.org/modules/news/article.php?storyid=376
 (*参加費や参加方法等の詳細にふれています)

 立命館大学 衣笠キャンパス
 http://kyotoshugakuryoko.jp/experience/detail.php?nid=353

 Googleマップ(立命館大学 衣笠キャンパス)

大きな地図で見る
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2011年07月27日

ARG風アートイベント「これが最後であるかのように」

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ARG風アートイベント「これが最後であるかのように」

 齋藤 路恵

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 今回はARG風のアートイベントのお知らせです。

「これが最後であるかのように」

■日時:2011年8月6日(土)18:30
■場所:横浜市内某所
<参加方法>
友人やパートナー、もしくはあなたがもう少し良く知りたいと思っている方を誘って、お二人一組でお申込下さい。
申込頂いた方には、イベントの数日前にMP3のサウンドトラックをダウンロードできるリンク先と、当日イベントが行われる「秘密」の場所についての情報をお送りします。
イベント当日、18:30少し前に地図に示された場所に事前にサウンドトラックをダウンロードしたMP3プレーヤーを持ってお越し下さい。18:30にサウンドトラックを再生してスタートです。

詳細と申込は以下のサイトから行ってください。
http://subtlemob.com/?p=963
上述の日時・場所・参加方法も以上のサイトからの引用になります。


 さて、いきなりARG風と紹介しましたが、ARGってなんでしょうか?
 ARGはAlternative Reality Game のことです。直訳すれば「代替現実ゲーム」となるのでしょうか。

 以下に三宅陽一郎さんの定義と例を引いてみます。

ARG(Alternate Reality Game) とは、「現実をゲームの一部として取り込んだゲーム」のことである。通常、デジタルゲームであればデジタル空間がゲーム空間(プレイアブル空間)であり、ボードゲームであればボード上がゲーム空間であるが、ARG のゲーム空間は、現実の物理空間、社会的空間をゲーム空間の一部として取り込んだものである。ARG は、現実の中にもう一つの現実を作り出し、現実と仮想が交錯する空間の中でゲームを展開する。

例えば、こんなARG の例を考えてみよう。学校で一枚の古い紙を発見する。そこには「私の中心を射抜いて探せ」という文字の下に大学構内の地図と星印のポイントが描かれている。その場所へ行くと、壁に数字が書いてある。数字は古い校舎で使われていた部屋番号であることがわかる。その番号を辿って部屋へ行くと、星印のついた箱がある。箱には屋上の鍵と双眼鏡が入っている。屋上から双眼鏡で見ると、これまで辿って来た経路が円を描いているのがわかる。その中心の場所へ行くと、一冊の本が隠されている。何のことはない、それは文芸部が自分たちの小説を読んで欲しいがためのトリックだった…という話。


三宅陽一郎 『「ARG 入門:体験型エンタテインメントの現在と未来」参加記
―新しいコンテンツの展開の形 ARG(Alternate Reality Game)―』より
http://igda.sakura.ne.jp/sblo_files/ai-igdajp/ARG/JACHS_SIGARG_2010.pdf


 リンク先の三宅さんのPDFではさまざまなARGの実際の運用例を知ることができます。
 

 今回紹介した「これが最後であるかのように」でも現実を物語の一部として取り込むことが行われます。

 ところで、わたしは冒頭に「ARG風のアートイベント」と書きました。
 しかし、これはゲームではないのでしょうか?
 わたしは「ゲーム」を与えられた規則にしたがって、目標を達成しようとする過程と考えています。(勝敗の有無はわたしのゲーム定義に関係ありません。)
 でも、「MP3の音を聞きながら、指示にしたがって、街を歩き回って楽しもうとすること」は与えられた規則(指示)にしたがって、目標(楽しむ)を達成しようとする過程のようにも思えます。
 そうするとこれはゲーム??

 ゲームにせよゲームでないにせよおもしろそうだと思った方は、「友人やパートナー、もしくはあなたがもう少し良く知りたいと思っている方」と参加してみると良いかも知れません。

 わたし自身も申し込みました。夜の横浜を静かに散策するのを楽しみにしています。
posted by AGS at 11:36| ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする