2023年12月27日

ウォーハンマーRPGビギナーズハンドブック vol.2

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―― ウォーハンマーRPGビギナーズハンドブック ――
vol.2

 (これくら!)
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――ウォーハンマーRPGビギナーズハンドブックvol.2――

 こんにちは。ウォーハンマーRPGファンサイト「鋼の旅団」を運営している「これくら!」です。
 前回「ウォーハンマーRPGビギナーズハンドブックvol.1」で、ウォーハンマーRPG(以下WFRP)で作ったキャラクターがその世界の住人として知っているはずの常識を初心者PL向けにまとめてみました。
 この記事は、セッション中に起こるプレイヤー(PL)の知識とキャラクター(PC)の知識のギャップを少しでも軽減したいとの思いで書きました。
 例えば、初心者PLのPCが酒場でケンカに巻き込まれた時、「戦闘だ!」と剣を抜くとGMは「あー、ごめんごめん、この世界では酒場のケンカで武器を抜くのはご法度で、みんなそれを分かった上で揉め事を楽しんでいる側面もあるから、それをやってしまうと場をしらけさせてしまうよ」とプレイを止めて説明するのですが、初心者PLに対して後出しジャンケンみたいな気がして申し訳なく思っていました。
 かと言ってセッション前に世界観を長々と説明するのも時間が足りませんので、サマリーみたいな感覚で使える物が欲しいと常々、思っていた矢先にFT新聞の記事執筆のチャンスが来たので、ここぞとばかりに乗っかった次第です。
 前回のvol.1がWFRP世界のPCなら誰もが知り得る知識・常識で、今回のvol.2はPCのクラス(大まかな職業分類)なら知り得る知識・常識をまとめてみました。
 ここからは、サプリメント調でいきましょう。

◆WFRPのクラスとは
 WFRP最大の特徴は、豊富なキャリアで、これはPCがヒーローではなく一般人であるためだ。
 「剣闘士」「魔術師」「司祭」など、ファンタジーRPGでは一般的なものから、死に場所を求める「スレイヤー」、混沌を駆逐する「魔狩人」のようなWFRPを代表するような派手なキャリア、通常のシステムならモブ扱いの「村人」や「物乞い」まで、その数は全部で256種類もある。
 そのキャリアは1Lv〜4Lvの段階に分かれている。上級職や熟練度によって名前も変わり、基本軸は64種類となる。
 その64種類の基本キャリアを更に8種類に分類したものが”クラス”で「学士」「戦士」のように系統立てられる。
 つまり、1つのクラスには8種類のキャリアが存在し、クラスは下記の8種類となっている。

・学士
・都市民
・廷臣
・農村民
・野外民
・河川民
・無頼
・戦士

◆クラスごとの常識・知識

【学士】―医者、弁護士、魔術師 など
 大学やしかるべき機関で専門知識を学ぶ者は読み書きすらできない一般人よりもワンランク上の職業に就くことができ、都市や町での生活において食い詰めるようなことはあまり無い。
 キャリアLv1の見習いたちはそんなエリート思考から、一般人を見下しがちだ。
 彼らと一般人の大きな違いは、自分の専門知識はもちろんのこと、専門外のことでも教会や大学の図書館に行きそれなりの時間さえかければ、少なからず役立つ情報を得られることを知っているだろう。
 また、手紙を書いて遠方の人物とやり取りができたり、メモを残すことで多くの情報を忘れずに保存できる。
 つまり、読み書きこそが彼らにとって最大の武器であるともいえる。
 「読み書き」は、現実世界の我々にとって当たり前だが、WFRPの世界においては特殊能力のようなもので、ルールの中で《異能》と呼ばれ、《読み書き》のように表現される。

【都市民】―商人、都市住民、警備兵 など
 都市部で生活している中産階級で野暮ったい田舎暮らしとは違う洗練された都市での生活をステータスとしている。
 物乞いやネズミ捕りのような見下されがちな職業でも都市だからこそ仕事があり、本人たちにそのつもりは無くても街のライフバランス的な役割から、彼らの生活は成り立つ。
 人口の多い都市を形成するには、一般人としての「都市住民」から「物乞い」「扇動家」など多彩なキャリア群が必要不可欠で、エンパイアらしさに華を添えている。
 都市民に共通する特徴といえば、前回の「ウォーハンマーRPGビギナーズハンドブックvol.1」で紹介したような常識・知識をどのクラスよりも実践していることだろう。
 例えば、「物乞い」ならそれは表向きの仕事で、裏社会では情報屋として盗賊ギルドに所属しているが、そんなことは公にできないだろう。
 また、「扇動家」なら特定の利権を有する大貴族へのデマや風刺を人々に吹聴しているが、その活動資金の出所は、昔この大貴族に負けた没落貴族の隠し資金であったり……。

【廷臣】―貴族、顧問、召使い など
 支配階級もしくはそれに近い場所で働くことで、たとえ出自の卑しい召使いでも、農村の村人より暮らしは豊かで社会的地位も高い。
 たとえ貴族といえども、より身分の高い者へ逆らうことは社会的な死を意味しており、上下関係には細心の注意を払いながら生活する必要がある。
 また、自分より身分の高い貴族が手を差し出したなら、その指輪にキッスして逆らう意志がないことを示さなければならない。
 生活の中で家柄、家系、紋章などに触れる機会が多いため、他人の身分を瞬時に識別し、自分の立ち居振る舞いを決めることは呼吸をすることより容易い。

【農村民】―村人、狩人、似非魔術師 など
 村や荘園に住み、そこの農場で働く農村民の大半は学も無く身分の低い者ばかりだ。
 しかしそれは、都市を中心とした社会から見た視線であり、孤立した田舎のコミュニティ内でそのような中央での身分の高低はまったく意味をなさない。
 代々続く村の権力者や働き者が尊敬を集め、狭い人間関係で失敗した者は村八分となり、人の嫌がる仕事や痩せた土地しか当てがわれない。
 それでもよそ者よりは”まし”で、よそ者の代名詞「領地代官」は、その地域を支配する領主(貴族)の一声で村の権力者として赴任してきて、働き者でも村の役に立つ訳でもないくせに村長よりも声高に村のやり方に口を挟み、あげく村人からの徴収をちょろまかして私腹を肥やすからだ。
 狭い集落の濃密な人間関係の中で村人同士が支え合って集団生活をしている中において”よそ者”は自分のことしか眼中にない。
 そのような忌諱すべきよそ者は信用ならないため、村人たちは旅行者や冒険者たちのような者には冷ややかな態度をとるのだ。
 農村民は自然豊かな村の周辺で生活するため、草木の名前、虫や動物の生態などに詳しいだろう。
 また、年寄りとの関わりが多いため昔から伝わる伝承などを耳にする機会も多いはずだ。

【野外民】―魔狩人、街道巡視員、鞭打苦行者 など
 WFRP世界の住人の大半は、自分の生まれた町や村から遠く離れることはないが、野外民は街道を中心に旅をすることで生活している。
 そういう意味で変わり者が多いのも否めない。
 途中、立ち寄る町や村で一儲けしようとする者たちは愛想が良く社交的だ。
 一方、自身の信念に基づいて野外民となっている者は無愛想で無口な者が多い。
 生活の大部分を旅に費やしているので、方向感覚や野宿には慣れているし、いざという時のために自身の身を守る術も会得している。
 また、農村民のように草木の名前、虫や動物の生態などにも詳しいだろう。

【河川民】―船乗り、港湾労働者、密輸商人 など
 エンパイアの大都市はライク河という巨大な河川で繋がれており、この河川が大陸内部の交易の大動脈となっている。
 このライク河の本流、支流、または運河に沿って河川民は生活しており、川船を運行する者から岸で荷の積み下ろしをする者、漁師など河川を生活の要とする者たちが河川民である。
 エンパイアの歴史の中で河川民に関わりが深い物として「ストリガニー」という民族がいて、彼らは太古の昔に存在した死霊術師の国の末裔であり、国を追われた流浪の民である。
 ヴァンパイアの噂も絶えないので近づかない方が無難であるため、忌み嫌われており、住む場所がないので、舟の上で水上生活をしている者もいる。
 河川民の仕事は肉体労働であるため、頑丈な身体を資本としている者が多い。
 魚の名前や特性に詳しく、風や湿気で天候を予測できる者もいるだろう。

【無頼】―盗賊、墓荒らし、魔女 など
 エンパイアは法治国家だが、法に縛られず己の信念のみを是として生きる者もいる。
 こう言えば聞こえはいいが、大多数の善良な市民にとって無頼たちはヤクザ者以外の何者でもない。
 持ち前の腕力を背景に言い掛かりに近い”己の常識”を振りかざし自身の要求を満たす輩や、良く回る口先で善良な市民を騙す輩、持ち前の容姿で異性を手籠めにとる輩など、健全に働く市民から金を巻き上げる方法には様々なパターンがある。
 ごく稀に反体制派として正義の名の下に革命の狼煙を上げ、人民を従える無頼もいるが、大抵は何者かに利用され、拙い思想に傾倒した儚き存在である。
 概ね活躍の場は裏社会で、入り組んだスラムの路地で警備兵を撒くことは朝飯前で、どの物乞いが情報屋かを知っているだろう。
 怪しげな物品を手に入れたい際にも、どこに行けば手に入るのかは、無頼なら知っている可能性は高い。

【戦士】―兵士、スレイヤー、戦闘司祭 など
 持ち前の屈強さと腕力を仕事にしている。
 戦いのプロであり、戦場や闘技場、酒場のケンカ、商人の揉め事などおよそ物理的な争いのある場面には必ずその姿がある。
 ゴロツキと区別のつかない者から、ちゃんと剣術や武術を体得して法の下で一定の規律を以て、腕力を暴走させない者まで様々である。
 彼らの強さに信頼はおけるが、仕事から離れた酒場での彼らの態度はゴロツキと大差ない。
 生まれつき体躯に恵まれた者もいれば、訓練によって強さを身に付けたものまで様々だが、こと接近戦闘における抜け目なさはどのクラスも戦士には敵わないだろう。

◆最後に
 最後まで読んでいただきましてありがとうございます。
 ウォーハンマーRPGビギナーズハンドブックvol.1・vol.2共に、これくら! の思うエンパイアの常識を、PCやそのクラス目線で書き綴ったもので、大前提としてこれを使う場合はGMの許可の下で「ハウスルール」となります。
 初心者PLがこれを読んでインプットしたPL知識を「自分のPCならこれは知ってるよな」と取捨選択しながら活かしていただければと思っています。
 例えば、PCの生まれや育った環境によっては一部の常識が欠けていることも考えられますし、その逆も然りです。
 また、この内容が全てではありませんし、足りない部分も多いかと思います。
 GMの数だけWFRP世界は存在します! 付け足してもいいし、柔軟な思考で自身が良いと思うところだけ切り取って使ってもらってもかまいません。
 それでは皆さん、良きTRPGライフを!!

初出:「FT新聞」No.3978(2023年12月15日)
posted by AGS at 20:25| コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする