<<改めまして、ごあいさつ>>
このたび、素晴らしい仲間の協力を得て、Analog Game Studiesという団体を立ち上げることになりました。
「活動趣旨」の文章がややいかめしいものだったせいで、ちょっと面食らっている人がいるかもしれません。
ごめんなさい。
私はお堅い性分なので、やはり何かを始めようと思う時には、格式張ったものを掲げておきたいと、つい思ってしまうところがあるのです。
ただ、わかりやすく言ってしまえば、この会の目指すところはとってもシンプル。
アナログゲームを、もっと広いものにしていきたい。
アナログゲームを、もっと深く追究したい。
アナログゲームを、もっともっと楽しみたい。
……とどのつまりは、ただ、それだけなんです。
もちろん、現状のアナログゲームがダメだと言いたいわけではありません。
私はアナログゲームのライターとしてデビューしてもうすぐ4年になります。
日々、仕事をしているうちに、アナログゲームを紹介してきた先達の方々、遊び続けてきたユーザーの皆さんの連携があって、今までこの素晴らしい世界が持続してきたのだなあと、痛感させられています。
だけれども、いまだアナログゲームは、意識して紹介されるようになってからの歴史が浅く、その意味で発展途上であるのも、また事実。アナログゲームを学術的に研究する場も、ジャーナリスティックに紹介する場も、まだまだ少ないと思います。
また、野心的な試みを有した斬新な作品であったり、反対にいかに優れた作品であっても、何らかの不幸な理由で展開が途絶えてしまったり、絶版になってしまったりする作品も、数多くあります。何よりファンとして、これは哀しいものです。
日本語ではなかなか紹介されないけれども、世界的に優れた評価を受けている作品というのも、また事欠きません。
反対に、世界に紹介される価値のある作品、よりスポットが当てられてしかるべき作品も多く存在します。
そうしたもろもろの作品や、優れた試みを紹介できる場を、もっともっと増やしていきたい。
私はSFの人でも、文学の人でもありますが、(広義の)SFや文学とアナログゲームは、むしろ切っても切り離せないくらい、成立においても発展においても、密接な関係があるように思えます。
ただ、そうした観点からSFや文学が語られることも、まだまだ少ないように思えます。
複数ジャンルにまたがるライターとして活動していると、現在プロとして活躍している書き手、あるいは学術的な研究者、さらには他の分野で注目すべき活躍を集めている人の中にも、アナログゲームに関心のある人、アナログゲームにかつて親しんでいた人、アナログゲームを通して何かを学びたいと思っている人が少なくない、ということがよくわかりました。
この会は、そうした人たちにアナログゲームに(ふたたび)興味を持ってもらう、あるいは興味を深めてもらう受け皿にもなれたらよいと思い、そのためには努力を惜しまないつもりです。
本会は「スタディーズ」(研究)と銘打っていますが、これは広い意味での「研究」にしていきたい。いかにも排他的な、象牙の塔にはしたくない。
学術論文のような精緻なコラムでも、また既存の枠組みから離れた自由な創作物であっても、知的な刺激を与えうるものでさえあれば、広義の「研究」に値するものとして許容する。
――そうした、懐の深い団体にしていきたいと思っています。
また近いうちに、この場を借りて、現在私たちが注目している、素晴らしいアナログゲームについてもご紹介することができると思います。楽しみにしていて下さい。
私たちは自分たちの関心に合わせ、研究成果を文章として発表していき、優れた書き手に寄稿依頼を行ない、その成果を紹介していきます。しかし、もとより私たちは、自分たちの活動が、唯一絶対の「正しい」ものだと主張するつもりはありません。
私たちは、「正しさ」ではなく、「楽しさ」を追究していきたい。
私たちが「楽しい」と思うこと、紹介する価値があると思うこと、そうした「楽しさ」を広げ、皆さんと共有していきたいと思っています。
どうぞ、私たちの活動を見守って下さい。
近いうちに、記事の公募も開始いたします。
……ただ、記事公募を始める前に、Analog Game Studies用のメールアドレスを取得しました。
もしよろしければ、
analoggamestudies1★gmail.com (★→@)
にまで、あなたの感想を届けて下さい。
最後になりましたが、Analog Game Studiesの設立にあたっては、私がこれまで参加させていただいてきたSpeculative Japan、限界小説研究会、TOKON10公式ブログ、そして「21世紀、SF評論」の方々から大いに学ばせていただいております。感謝の気持ちと今後の友誼をお願いしつつ、厚くお礼を申し上げます。
Analog Game Studies代表 岡和田晃
2010年11月26日
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