2013年03月11日

【活動報告】Analog Game Studies第10回読書会報告&各種活動報告

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【活動報告】Analog Game Studies第10回読書会報告&各種活動報告

 岡和田晃

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 2013年1月某日、Analog Game Studiesの第10回読書会が開催されました。今回の課題図書は、ケイティ・サレン&エリック・ジマーマン『ルールズ・オブ・プレイ』(ソフトバンククリエイティブ)で、15章「不確かさのシステムとしてのゲーム」から21章「ルールを破るということ」までの議論が行なわれました。今回の読書会で『ルールズ・オブ・プレイ』上巻の精読が終了し、時間をかけて、ゲームを理論的に捉えるための基礎を確認することができました。
ルールズ・オブ・プレイ(上) ゲームデザインの基礎 [単行本] / ケイティ・サレン, エリック・ジマーマン (著); 山本 貴光 (翻訳); ソフトバンククリエイティブ (刊)
 また、今回の会合では、AGSが創設から2周年を迎えたことを機会とし、これまでの活動成果をふまえながら、新たな活動コンセプトをいかに組み立てていくべきか、抜本的な話し合いが行なわれました。
 これまでAGSは、「アナログゲームを中心とした産学連携」を合い言葉に、ゲームとそれ以外の社会的要素を繋ぐべく、現場のクリエイターや研究家・学術者・ファンたちが情報発信と実践をしていくプロジェクト」として自らを位置づけ、読者の皆さま、執筆協力者の皆さまに、多大なご支援をいただき、おかげさまで、いくつもの成果を出すことができました。本当にありがとうございます。
 10回目の読書会である本会では、そうした成果をふまえて、AGSが新たなステージへ踏み出すために、活動初期のコンセプトを、より具体的に、より身近に、より実践的に編成し直そうと、熱心に話し合いが行なわれました。結果、下記2点を活動の柱とし、より実践的な展開をしていくことになりました。

・ゲームと社会、そしてメディアの関わりについて、そのルールシステムの内と外から、さまざまな学術や芸術の方法論を通じてアプローチできるという事実・言説を育てていく。

・ゲームを“その場で生きたもの”として捉え、情報発信と実践を通してコミュニティの枠を広げながら、ゲームと人生を豊かにする。


 併せて、本ウェブログのトップのキャッチも変更させていただきます。
 改めまして、今後も皆さまのご理解・ご支援をよろしくお願い申し上げます。



・アナログゲーム専門店Role&Roll Station秋葉原店にて、2012年3月17日にポストヒューマンRPG『エクリプス・フェイズ』の体験会が開催されます。まだ参加者を募集しておりますので、ぜひお越しください。AGSメンバーが協力させていただいているイベントです。

・東京創元社のウェブマガジン「Webミステリーズ!」2013年3月5日更新号に、「第33回日本SF大賞受賞記念インタビュー――宮内悠介『盤上の夜』を語り尽くす!」と題し、第33回日本SF大賞受賞作家・宮内悠介氏を囲んだ長篇鼎談が掲載されましたが、こちらにAnalog Game Studies顧問の草場純氏と、代表・岡和田晃が参加させていただきました。『盤上の夜』はアナログゲームを題材とした小説で、Analog Game Studies読者の方でしたら、間違いなくお楽しみいただける内容です。鼎談では、ゲームの理論的側面について、かなり、突っ込んだ議論も行なわれています。無料で閲覧できますので、ぜひともご覧ください。
盤上の夜 (創元日本SF叢書) [単行本] / 宮内 悠介 (著); 東京創元社 (刊)

・2012年2月3日には、市民講座「SF乱学講座」にて、齋藤路恵氏が「日本における同性愛“者”の発見/発明」と題した講演を行ない、好評を得ました。また、AGSメンバーは、翌3月3日に開催された講座、「第二次大戦中・おらが村に落とされた一発の大型爆弾」(講師:『植民地時代の古本屋たち』の著者・沖田信悦氏)の開催協力をさせていただきました。パンプキン爆弾(模擬原爆)や、植民地の古書肆についてなど、貴重なお話を多々うかがうことができました。ご来場いただいた皆さまに感謝します。
植民地時代の古本屋たち 樺太・朝鮮・台湾・満洲・中華民国−空白の庶民史|沖田信悦|寿郎社|送料無料
posted by AGS at 02:31| 活動報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする