2011年06月11日

6月12日(日)のゲームマーケット2011で『Eclipse Phase Introduction Book for 2011 Japanese』が入手可能となりました!(付記:「カナイ製作所」のご紹介)


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6月12日(日)のゲームマーケット2011で『Eclipse Phase Introduction Book for 2011 Japanese』が入手可能となりました!(付記:「カナイ製作所」のご紹介)

 岡和田晃

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Homepage | Eclipse Phase
※当ブログAnalog Game Studies(AGS)は『エクリプス・フェイズ』公式サイト(Homepage | Eclipse Phase)で承認されているファンサイト(Fan Websites)の一つです( http://eclipsephase.com/resources )。※


 Analog Game Studiesが、ポストヒューマンRPG『エクリプス・フェイズ』(Eclipse Phase, http://analoggamestudies.seesaa.net/article/183475700.html )を扱ったファンジン(ファンの手になる同人誌)を発行するということは、先日、Analog Game Studiesでご報告させていただいたばかりです。

表紙レイアウト (1)_01.jpg

 来たる6月12日(日)に、東京都大田区の「大田区産業プラザPiO 大展示ホール・小展示ホール」にて、「第12回文学フリマ」(http://bunfree.net/)という、文学限定の同人誌即売会が開催されますが、このイベント内でAnalog Game Studiesは、「Eclipse Phase Introduction Book for 2011 Japanese」と題した冊子を限定発行するという次第です。


 委託先は「O-10 幻視社」
 「幻視社」ブースでお求めください。


文学フリマ - 第十二回サークル一覧(K-O)※委託先:O-10「幻視社」

「第十二回文学フリマ」 開催概要
開催日 2011年 6月12日(日)
開催時間 11:00〜17:00
会場 大田区産業プラザPiO 大展示ホール・小展示ホール
http://bunfree.net/



 しかし、「第十二回文学フリマ」に参加できないAnalog Game Studies読者の方も多いと聞き及んでおります。というのも、不幸にも文学フリマは、日本最大級のアナログゲーム即売会、ゲームマーケット2011と日程が重複してしまっているからです。

 そこでAnalog Game Studiesでは、文学フリマには参加できないがゲームマーケットには参加できるという方のために、ゲームマーケット2011においても、『Eclipse Phase Introduction Book For 2011 Japanese』を頒布することになりました。

 委託先は、5‐201「カナイ製作所」

 20部ほどの小部数を限定的に委託する形となります。また、搬入の都合上、午後から入手可能となりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

 『エクリプス・フェイズ』という素晴らしいRPGがもたらす創造性を、あるいはポストヒューマンSFの可能性を、どうぞご堪能いただけましたら幸いです。


ゲームマーケット2011 - 会場案内図(5階)※委託先:5‐201「カナイ製作所」

「ゲームマーケット2011」 開催概要
開催日 2011年 6月12日(日)
開催時間 10:00〜17:00
会場 都立産業貿易センター台東館
http://gamemarket.jp/



 さて本作は、Analog Game Studiesと、ライター/翻訳者集団、戦鎚傭兵団の共同作業といたしまして、Creative Commonsを活用し、『エクリプス・フェイズ』の設定を用いたオリジナル小説と、翻訳設定を付記した入門書となっております。もちろん、独立したSF小説としても楽しめます。

 収録内容は以下の通りとなります:


 ・序文&監修:岡和田晃

 ・小説『衛星タイタンのある朝』:蔵原大&齋藤路恵

 ・小説『DOG TALE』:仲知喜&蔵原大

 ・用語集

 ・小説『Feel like making love―about infomorph sex』:齋藤路恵

 ・小説『戦う「ショートショート」又はボーイ・ミーツ・ガール』:蔵原大

 ・『Quick Start Rules』より抜粋訳 「特異点はもうすぐそこに」、「『エクリプス・フェイズ』の世界」、「『エクリプス・フェイズ』の年表」:待兼音二郎(翻訳)

 ・【Eclipse Phaseデザイナーより】【フルカラーPDFの送付サービスにつきまして】
 


 今回の記事は、雰囲気を掴んでいただくため、レイアウトをご紹介いたしましょう。

『Feel like making love―about infomorph sex』
EclipsePhase_Introduction_Book_01.jpg

『戦う「ショートショート」又はボーイ・ミーツ・ガール』
EclipsePhase_Introduction_Book_03.jpg

『特異点はもうすぐそこに』
EclipsePhase_Introduction_Book_02.jpg
 

 『Eclipse Phase Introduction Book For 2011 Japanese』は(本文)モノクロ印刷となっていますが、本書を入手された方のうち希望者には、フルカラーPDFを無償頒布させていただく予定となっています

 残念ながらゲームマーケット2011会場内でフルカラーPDF配布サービスを行なう予定はございませんが、冊子に記載されている申込み方法に従う形での申込みは可能です。何卒、よろしくお願いいたします。



追記;
 ファンジンはすべて頒布が終了しておりますが、フルカラーPDF版をインターネット上で再掲しております。
 日本SF作家クラブの公認ネットマガジン「SF Prologue Wave」http://prologuewave.com/)において、創作者集団NEO、および『エクリプス・フェイズ』翻訳チームのご協力をいただき、会話型RPG『エクリプス・フェイズ』のシェアード・ワールド企画にAnalog Game Studiesのメンバーが参加する、という形をとっています。
 岡和田晃によるコンセプト解説「シェアード・ワールドとしての『エクリプス・フェイズ』はこちら(http://prologuewave.com/ep_explanetion)。
 2012年6月5日〜7月20日の4回に分けて、2011年6月に限定発行されたファンジン『Eclipse Phase Introduction Book for 2011 Japanese』(Analog Game Studies & 戦鎚傭兵団発行)をフルカラーPDFにて再録いただいております。
 内訳は……。
「特異点への突入」(待兼音二郎)
「衛星タイタンのある朝」(蔵原大&齋藤路恵)
「DOG TALE 犬の話」(仲知喜&蔵原大)
「Feel like makin' love――about infomorph sex」(齋藤路恵)
「戦う『ショートショート』又はボーイ・ミーツ・ガール」(蔵原大)

 以上5作品です。
 是非ご覧ください!

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 ゲームマーケット2011での委託先、「5-21 カナイ製作所」では、ゲームデザイナー、カナイセイジさまの手になる新作カードゲーム『R』も頒布される予定です。

 『R』は、昨年発表された500円ゲーム『RR』の過去がテーマとなっており、手札を出し合うシンプルなゲーム。お値段も据え置き、500円とお手頃価格。

 しかし、「シンプルなゲーム……なんですが、そのシンプルさを補うために大量のオプションルールを投入してあります。遊び方は2桁?」とのこと。期待の新作です。

 その他、新作「Valhara体験版」も発売予定とのこと。加えて、「カナイ製作所」の過去作品も出品される模様です。
 この機会に、ぜひお手にとってみてください。

 http://kanai-factory.web.infoseek.co.jp/


ms1.jpg
〈『舞星 Mai-Star』パッケージ〉


 なお、カナイセイジさまのカードゲーム『Chronicle』は、アメリカのZ-Man Gamesから、英語版が出版されていることをご存知でしょうか。

 そう、ゲームマーケットは、世界で活躍する日本人デザイナーの新作に触れる絶好のチャンスなのです!
Chronicle_cover.jpg
〈『Chronicle』英語版パッケージ〉

 さらにカナイセイジさまは、Analog Game Studies代表岡和田晃の手になる『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の公式Webリプレイ「竜(ドラゴン)の予言に選ばれし者たち」に、ヒューマン・アーティフィサーのヘルメス役でプレイヤー参加しています。併せて、御覧いただけましたら幸いです。

ゲームマーケット2011 - 会場案内図(5階)※5‐201「カナイ製作所」

「ゲームマーケット2011」 開催概要
開催日 2011年 6月12日(日)
開催時間 10:00〜17:00
会場 都立産業貿易センター台東館
http://gamemarket.jp/



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Bibliography: EclipsePhase-2nd.pdf, EclipsePhase_QuickStartRules.pdf Sunward.pdf, which all have been produced from Catalyst Game Labs and Posthuman Studios in 2009-10;, besides message by Rob Boyle, illustration "Psycosurgery" by Leanne Buckley, "Atlantica" by Zachary Graves.
posted by AGS at 17:04| エクリプス・フェイズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月10日

6月12日(日)の第12回文学フリマで『Eclipse Phase Introduction Book For 2011 Japanese』を発行します!(付記:「幻視社」と「科学魔界」のご紹介)


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6月12日(日)の第12回文学フリマで『Eclipse Phase Introduction Book For 2011 Japanese』を発行します!(付記:「幻視社」と「科学魔界」のご紹介)

 岡和田晃

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Homepage | Eclipse Phase
※当ブログAnalog Game Studies(AGS)は『エクリプス・フェイズ』公式サイト(Homepage | Eclipse Phase)で承認されているファンサイト(Fan Websites)の一つです( http://eclipsephase.com/resources )。※


 緊急! 緊急! 電撃発表!

 Analog Game Studiesが、ポストヒューマンRPG『エクリプス・フェイズ』(Eclipse Phase, http://analoggamestudies.seesaa.net/article/183475700.html )を扱ったファンジン(ファンの手になる同人誌)を発行いたします!


 来たる6月12日(日)に、東京都大田区の「大田区産業プラザPiO 大展示ホール・小展示ホール」にて、「第12回文学フリマ」(http://bunfree.net/)という、文学限定の同人誌即売会が開催されます。

 このイベントでAnalog Game Studiesは、「Eclipse Phase Introduction Book For 2011 Japanese」と題した冊子を限定発行いたします。


 委託先は「O-10 幻視社」
 「幻視者」ブースでお求めください。



文学フリマ - 第十二回サークル一覧(K-O)※委託先:O-10「幻視社」

「第十二回文学フリマ」 開催概要
開催日 2011年 6月12日(日)
開催時間 11:00〜17:00
会場 大田区産業プラザPiO 大展示ホール・小展示ホール
http://bunfree.net/


 『エクリプス・フェイズ』は、ユーザーが積極的に楽しさを模索すればするほど面白さが増す創造的なRPGであり、ユーザーの創造性を引き出すための総合創作ツールとして捉えることもできる作品だということは、以前連載コラム「『エクリプス・フェイズ』ゼロ年」の第4回にてお知らせいたしました。


 これは単なる売り文句ではありません。

 『エクリプス・フェイズ』はCreative Commonsが付記された作品であり、ガイドラインに従えば、この設定を用いた小説やコミック、映像などの作成を自在に行なうことが可能となっているのです。

 そこで今回は、Analog Game Studiesと、ライター/翻訳者集団、戦鎚傭兵団の共同作業といたしまして、Creative Commonsを活用し、『Eclipse Phase Introduction Book For 2011 Japanese』を作成してみた次第です。

 『エクリプス・フェイズ』は最新のSF、ポストヒューマニズムと世界内戦の時代を、ゲームならではの双方向性を前提として描ききった作品です。その醍醐味を、少しでも感じてもらうべく制作につとめました。

 さあ、表紙をご覧あれ! 「SFセミナー2011」の成功を記念し、Rob Boyleさまよりお送りいただきましたLeanne Buckley氏の“Psycosurgery”を使用させていただいております(表紙・本文レイアウト:八重樫尚史)。

表紙レイアウト (1)_01.jpg

 収録内容は以下の通りとなります:


 ・序文&監修:岡和田晃

 ・小説『衛星タイタンのある朝』:蔵原大&齋藤路恵

 ・小説『DOG TALE』:仲知喜&蔵原大

 ・用語集

 ・小説『Feel like making love―about infomorph sex』:齋藤路恵

 ・小説『戦うショートショート 又は ボーイ・ミーツ・ガール』:蔵原大

 ・『Quick Start Rules』より抜粋訳 「特異点はもうすぐそこに」、「『エクリプス・フェイズ』の世界」、「『エクリプス・フェイズ』の年表」:待兼音二郎(翻訳)

 ・【Eclipse Phaseデザイナーより】【フルカラーPDFの送付サービスにつきまして】
 


 小説はいずれも『エクリプス・フェイズ』の設定を、Creative Commonsのもとに活用したオリジナル作品。

 『衛星タイタンのある朝』は、主として「SFセミナー2011」の合宿企画「新世紀のポストヒューマンRPG『エクリプス・フェイズ』を語ろう」来場者用に50部頒布された小説の増補改訂版となります。

 『DOG TALE』は、いわばその続編。前作とともに、Analog Game Studiesが粋を尽くして作成したオリジナル・キャラクターたちのユーモアあふれる掛け合いをお楽しみ下さい。

 『Feel Like Making Love―about infomorph sex』は、情報体インフォモーフの身体性に焦点を当てた、『エクリプス・フェイズ』ならではの異色ジェンダーSF。

 『戦うショートショート』は、『エクリプス・フェイズ』に登場する未来の火星を舞台にした、小粋な演出がニクい逸品。

 
 私たちの自信作です。ぜひお楽しみください。

 それぞれの小説は原稿用紙15〜20枚程度の分量があり、『Feel Like Making Love―about infomorph sex』に至っては、原稿用紙40枚以上。じっくりと『エクリプス・フェイズ』の世界を味わうことができますよ。


 そして、本書収録の作品群をお読みになれば、『エクリプス・フェイズ』の世界観を楽しみながら理解することが可能となります。

 海外RPGの世界観を紹介するのは意外と手間取る作業ですが、そんな際にこの本が威力を発揮することでしょう。

 小説を読み終えた後は、公式設定を日本語で確認し、『エクリプス・フェイズ』世界のグランド・デザインを把握することができるようになっているのです。




 もちろん、、『Eclipse Phase Introduction Book for 2011 Japanese』は独立したSFとしても楽しめるよう、SF評論家の岡和田晃が監修を担当し、さまざまな工夫を凝らしました。

 だから「RPGやゲームはよくわからないけれども、面白いSFや小説には興味がある」なんて方、大歓迎!

 「『エクリプス・フェイズ』の予備知識はないから、敷居が高そう……」と、尻込みされている方、大丈夫です。ゲームについての予備知識は必要ありません。

 小説を読みながら、『エクリプス・フェイズ』が体現する最新のSFを、謀略と恐怖が支配する、黄昏の太陽系をご堪能ください!


 また、当日会場にいらっしゃった方には、あっと驚く嬉しいニュースをお伝えできるかも!?
 

 『Eclipse Phase Introduction Book For 2011 Japanese』は(本文)モノクロ印刷となっていますが、本書を入手された方、また、当日会場にいらした方でご希望の方には、フルカラーPDFを無償頒布させていただく予定となっています

 詳しくは本文をご覧になるか、当日会場にいるAnalog Game Studiesメンバーにお尋ね下さい。


追記;
 ファンジンはすべて頒布が終了しておりますが、フルカラーPDF版をインターネット上で再掲しております。
 日本SF作家クラブの公認ネットマガジン「SF Prologue Wave」http://prologuewave.com/)において、創作者集団NEO、および『エクリプス・フェイズ』翻訳チームのご協力をいただき、会話型RPG『エクリプス・フェイズ』のシェアード・ワールド企画にAnalog Game Studiesのメンバーが参加する、という形をとっています。
 岡和田晃によるコンセプト解説「シェアード・ワールドとしての『エクリプス・フェイズ』はこちら(http://prologuewave.com/ep_explanetion)。
 2012年6月5日〜7月20日の4回に分けて、2011年6月に限定発行されたファンジン『Eclipse Phase Introduction Book for 2011 Japanese』(Analog Game Studies & 戦鎚傭兵団発行)をフルカラーPDFにて再録いただいております。
 内訳は……。
「特異点への突入」(待兼音二郎)
「衛星タイタンのある朝」(蔵原大&齋藤路恵)
「DOG TALE 犬の話」(仲知喜&蔵原大)
「Feel like makin' love――about infomorph sex」(齋藤路恵)
「戦う『ショートショート』又はボーイ・ミーツ・ガール」(蔵原大)

 以上5作品です。
 是非ご覧ください!

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 また、「O-10 幻視社」では、東條慎生さま主宰の文芸同人誌「幻視社」の最新第五号も頒布されます。

 東條さまは、Analog Game Studiesにレポート「『ローズ・トゥ・ロード』というRPGをやってみた」をご寄稿くださった方です。

 狩野若芽さまの手になる表紙はこちら。

幻視社5表紙.jpg

 幻視社 第五号 「死者/使者」


 【小 説】

・「家族サアカス」渡邊利道

・「待合室 〜Waiting room〜」エンドケイプ

・「血と呪いとセックス」佐伯ツカサ


〈特別掲載 向井豊昭未発表作品〉

・「40代バンバンザイアットホームカウンセリングコーポレーション」(続)

・「UFO小学校」(1,2章)


【特 集:イスマイル・カダレと〈東欧の想像力〉を読む】


●第一部 イスマイル・カダレを読む

アルバニア小史・カダレ略歴 東條慎生

カダレ邦訳作品ガイド 東條慎生

「類似と自由」渡邉利道

「死者の国から」東條慎生

●第二部 〈東欧の想像力〉とその作家たち

・ダニロ・キシュ
『庭、灰』、『若き日の哀しみ』、『砂時計』、『死者の百科事典』

・ボフミル・フラバル
『わたしは英国王に給仕した』、『あまりにも騒がしい孤独』

・エステルハージ・ペーテル
『ハーン=ハーン伯爵夫人のまなざし』、『黄金のブダペスト』

・ミロラド・パヴィチ
『ハザール事典』、『風の裏側』、『帝都最後の恋』

・ヨゼフ・シュクヴォレツキー
『二つの伝説』、『ノックス師に捧げる10の犯罪』

・イェールジ・コジンスキー
『異端の鳥』

〈東欧の想像力〉続刊予定


●第三部 その他の東欧文学

『その男ゾルバ』、『ドリナの橋』、『トランス=アトランティック』、『エペペ』、『運命ではなく』、『幸せではないが、もういい』、『狙われたキツネ』、『現代ウクライナ短編集』、『石の花』





 今回は「幻視社」の常連寄稿者、第2回あさよむ携帯文学賞大賞・読者賞を受賞した佐伯ツカサさま、また「Rooftop」で人気コラム「室外機マニア」を連載しているエンドケイプさま、「Speculative Japan」でSF評論を発表している渡邊利道さまの小説の小説が冒頭を飾ります。

 続いて、松籟社から刊行されている野心的な小説叢書<東欧の想像力>の収録作家たちを中心に、東欧文学について、紹介文、評論、エッセーなどが多数掲載されています。Analog Game Studiesからは、岡和田晃もいくつか担当しています。


 中でもAnalog Game Studiesの皆さまにお勧めなのは、特集タイトルにもなっている国際ブッカー賞受賞作家、イスマイル・カダレの作品群です。

 傑作『死者の軍隊の将軍』をはじめ、カダレの作品は「アルバニアとは何か」という問いに満ちています。

『死者の軍隊の将軍』では、第二次世界大戦で亡くなった自国の兵士たちの遺骨を収集する将軍の描写を通じて、『誰がドルンチナを連れ戻したのか』では、中世アルバニアに伝わるドルンチナ伝説(死んだはずの兄が蘇って妹を連れ去った伝承)の再解釈を通じて、『砕かれた四月』では、アルバニアの高地に伝わる「血の復讐」への詳細な検討を通じて、それぞれ「アルバニアとは何か」という問いが繰り返し語られますが、これがアルバニア人にしかわからない、閉ざされたものになっていたら価値はないでしょう。

 しかしカダレの小説は、繰り返される死者のモチーフ、そしてアルバニアの「外部」から自国の伝承や状況を見つめ直す透徹した視座、そして語りつくされた伝承をまったく新しい表現へと変貌させる巧みな小説技巧によって、ドメスティックな問題を普遍性へと昇華させていきます。

 アナログゲーム、特にRPGにおいては、中世社会が近代国家へ至る社会的変容へ、往々にして焦点が当てられますが、そこでいかなる物語が可能になるのかを捉え直すうえで、カダレの小説はまたとない思考の材料を提示してくれることでしょう。


 なお、本特集では、<東欧の想像力>叢書の、まだおそらくどこにも出ていない続刊情報が掲載されているのも、要注目です。

 「幻視社」五号をガイドとして、魅力あふれる東欧文学の世界をご堪能ください!


 最後に、向井豊昭さまの未発表作品が掲載されています。

 幻視社では、惜しくも2008年に亡くなった反骨の作家、向井豊昭さまの遺志を受け継ぎ、第四号より、遺された遺稿を掲載してまいりました。

 今回掲載される「40代バンバンザイアットホームカウンセリングコーポレーション」の第二部と第三部、児童文学長篇「UFO小学校」の序盤になります。

 前者は「早稲田文学」に掲載された「エロちゃんのアート・レポート」にも通じる、艶めかしい語り口が魅力の作品、後者は、おそらく商業誌に発表されたことがない、向井豊昭さまの児童文学作品となります。

 ぜひ、お楽しみください!


文学フリマ - 第十二回サークル一覧(K-O)※委託先:O-10「幻視社」

「第十二回文学フリマ」 開催概要
開催日 2011年 6月12日(日)
開催時間 11:00〜17:00
会場 大田区産業プラザPiO 大展示ホール・小展示ホール
http://bunfree.net/



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 また、ブースは別になりますが、アメリカ文学者にしてSF評論の第一人者、巽孝之さまが中学時代から続けているSFファンジン「科学魔界」のブースにも、Analog Game Studies代表・岡和田晃は関わっております。

 こちらは、「ウ‐03 科学魔界」

 新刊はおそらくSF大会合わせで発行されるのではないかと思いますが、バックナンバーである「科学魔界」50号と52号に、それぞれ岡和田は400字詰め原稿用紙換算で100枚以上の原稿を寄せています。

 それぞれ、既刊ということで、すでに告知が行なわれております。下記のリンク先をごらんください。

 50号は伊藤計劃さまの単行本未収録エッセイ、52号は巽孝之さまの柴野拓美論を読むことができる貴重な号となっております。

 文学フリマに参加予定の方は、「科学魔界」ブースにも、お立ち寄りいただけましたら幸いです。


・「科学魔界」50号のお知らせ
http://d.hatena.ne.jp/Thorn/20080918/p1
 
・「科学魔界」52号のお知らせ
http://speculativejapan.net/?p=146

科学魔界50.jpg

「科学魔界」52号 目次

●SFセミナー2009

・若手SF評論家パネル〜ぼくたちはなぜSF評論を書きはじめたのか〜
司会:森下一仁
出席者:石和義之、礒部剛喜、海老原豊、岡和田晃、藤田直哉、横道仁志

・〈合宿企画〉「スペキュレイティヴ・ジャパン」バラード追悼と読書会
構成・編集:岡和田晃

●In Memoriam

・柴野拓美論序説――ポストヒューマニズムの自走空間――(巽孝之)

・浅倉さんのこと――追悼に代えて(中村融)

・島田喜美子さんに捧ぐ(佐野和美)

●SF MAP

「大阪SF」への周遊券(横道仁志・高槻真樹)

●評論

・冷戦時代のSF映像論――『遊星よりの物体X』の再評価(礒部剛喜)

・性と権力の無限迷宮――『大奥』に見る最高権力者の問題(藤田直哉)

●ウィスコン34レポート

●勇敢マダムは今日も脳天気(立花眞奈美)

●執筆者プロフィール

●Introduction for Takayuki Tatsumi (Stefan Hall)

●編集後記

●表紙イラスト(三五千波)


文学フリマ - 第十二回サークル一覧(ア-エ)※ウ-3「科学魔界」
「第十二回文学フリマ」 開催概要

開催日 2011年 6月12日(日)
開催時間 11:00〜17:00
会場 大田区産業プラザPiO 大展示ホール・小展示ホール
http://bunfree.net/


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Bibliography: EclipsePhase-2nd.pdf, EclipsePhase_QuickStartRules.pdf, which all have been produced from Catalyst Game Labs and Posthuman Studios in 2009-10;, besides message by Rob Boyle, illustration "Psycosurgery" by Leanne Buckley, "Atlantica" by Zachary Graves.
posted by AGS at 18:01| エクリプス・フェイズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月25日

『エクリプス・フェイズ』ゼロ年(Eclipse Phase: Year-0)―(4):SF文学の場合

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『エクリプス・フェイズ』ゼロ年(Eclipse Phase: Year-0)―(4):SF文学の場合

 岡和田晃 (協力:阿利浜秀明)

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Homepage | Eclipse Phase

 SFゲーム『エクリプス・フェイズ』(Eclipse Phase, http://analoggamestudies.seesaa.net/article/183475700.html )は未来の太陽系社会を扱った作品です。その中で描かれているテクノロジーや社会情勢が今のわたし達を原点としているのは言うまでもありません。サイエンス・フィクションをさらに理解し、さらに楽しみたいのだとしたら、まず現実のサイエンスをさらに理解し、さらに楽しむという所から入るのも一つの手法でしょう。

 そこで今後は"『エクリプス・フェイズ』ゼロ年"という連載コラムを通じ、未来技術・複数の領域での先端研究に関連しそうな研究成果・講演・セミナー等を随時ご紹介していきます。この第四回では、『エクリプス・フェイズ』と密接な関係のある、SF文学の最先端についてご紹介いたします。

 日本におけるSF文学の育ての親、柴野拓美は、SFを「人間理性の産物が人間理性を離れて自走することを意識した文学」として捉え、科学と文学の止揚に留まらない、いわば新たなポストヒューマニズムの形を考えました(*)。「SFマガジン」の創刊から50年がすでに経過し、もはやSF文学は、(会話型RPGがそうであるように)単なる読み捨ての暇つぶしに留まるものではなくなっています。そして、『エクリプス・フェイズ』がそうであるように、SF文学の最先端は、人間とテクノロジーのありうべき関係を旧来の人間像の更新の中から紹介するものとなっています。そこで今回は、日本におけるSF文学の最先端を体感するための情報をご紹介いたしましょう。

 もともと『エクリプス・フェイズ』もまた、デザイナーのロブ・ボイル氏(Mr.Rob Boyle)曰く「私たちは『エクリプス・フェイズ』を通じて、単に楽しいSFゲームを生み出す以上のことを成し遂げたいと思い、また私たちが重要と考えたテクノロジーの発展によって引き起こされた社会的・政治的な問題を紹介したいとも思っていました」とのこと( http://analoggamestudies.seesaa.net/article/199514106.html )でした。Analog Game Studiesではロブ・ボイル氏の精神に共鳴し、『エクリプス・フェイズ』をさらに楽しむための材料を提示いたします。

 なお以前の記事も併せてお読みいただけますとありがたく思います。

○「ゼロ年」第一回「東京大学の場合」: http://analoggamestudies.seesaa.net/article/198290624.html
○「ゼロ年」第二回「現役研究者ブログの場合」: http://analoggamestudies.seesaa.net/article/198693657.html
○「ゼロ年」第三回「ボードゲームの場合」:http://analoggamestudies.seesaa.net/article/201383672.html

○Homepage | Eclipse Phase: http://eclipsephase.com/

SF文学 (文庫クセジュ) [新書] / ジャック ボドゥ (著); 新島 進 (翻訳); 白水社 (刊)SF Japan 2010 AUTUMN [単行本(ソフトカバー)] / SF Japan 編集部 (編集); 徳間書店 (刊)

(*)拙稿「柴野拓美のメソドロジー――「『集団理性』の提唱」再読」(「SF JAPAN」2010 Autumn、徳間書店)を参照されたい。

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【@.SF Prologue Waveの場合】


●日本SF作家クラブ公認ウェブマガジン「SF Prologue Wave」
http://www.env.go.jp/chemi/communication/1-6.html


 こちらは1963年より続く日本SF作家クラブが、このたび新しく開始したプロジェクト「SF Prologue Wave」のホームページになります。

 『光を忘れた星で』が話題となっている代表の八杉将司氏に始まり、日本SF新人賞、小松左京賞出身の実力派作家たち、日本SF評論賞受賞者、あるいはあっと驚くベテラン作家陣まで、多様な顔ぶれが魅力あふれるコンテンツを提供していきます。現在は、ショートショートやコラムを、無料で楽しむことができるようになっています。

 Analog Game Studiesをお読みの方々、そして『エクリプス・フェイズ』に興味がある方々には、日本SF新人賞受賞作家たちの力作、伊野隆之『樹環惑星――ダイビング・オバリア――』および山口優『シンギュラリティ・コンクェスト 女神の誓約』、『光を忘れた星で』が参考となるでしょう。著者紹介から、一部を抜粋してお見せします。

樹環惑星――ダイビング・オパリア―― (徳間文庫) [文庫] / 伊野 隆之 (著); 奥瀬 サキ (イラスト); 徳間書店 (刊)
 「樹環惑星−ダイビング・オパリア−」では、SFの醍醐味の一つである異世界の創造にこだわり、熱病を巡るエコロジカルな謎解きを軸に、星系外に広がる薬物汚染や、成層圏に近い高度からのスカイダイビング、自治政府内外の政治的な軋轢等々を盛り込んだ、ある意味で今できる事をすべて盛り込んだ小説です。この異世界を、是非、一緒に旅をしていただけることを期待しております。(http://prologuewave.com/archives/582


シンギュラリティ・コンクェスト 女神の誓約(ちかひ) (徳間文庫) [文庫] / 山口 優 (著); 徳間書店 (刊)
「シンギュラリティ・コンクェスト 女神の誓約」は、技術的特異点、即ち人類の知能を人工知能が凌駕する歴史上のポイントを描いた小説です。人の頭脳は、速度や記憶量では既にコンピュータに到底及ばないものの、パターン認識能力やフレーム問題の超越によって未だにコンピュータを遙かに超える知性を保っています。ですが、これらの優越点も、いずれ人工知能は獲得していくでしょう。それもあと数十年以内に。(http://prologuewave.com/archives/583


光を忘れた星で (講談社BOX) [単行本(ソフトカバー)] / 八杉 将司, 中山 尚子 (著); 講談社 (刊)
もちろん人類が失明したという話は小説でも映画でもたくさんありますけど、この小説の世界ではもとより人類が生まれつき視覚を持っていません。とうの昔にそんなものはなくしてしまって、だから視覚を失ったからといって右往左往することもなく、また嘆いたりもせず、そんなものなどなくともなんとも思ってなく、普通に生活をし、文化を築き上げています。まあ、H・G・ウェルズの「盲人の国」もそんな世界の話ですが。ただ、語り手をその世界の住人にしたことで、当人にとっては視覚が何か想像もつかないわけで、文章にしても視覚に関係するものがあってはいけない……ということでこんなことに。
http://prologuewave.com/archives/600


 今回の「Prologue Wave」には、お二人のショートショートも掲載されていますので、併せてお楽しみください。

 また、「SF Prologue Wave」では、出版不況、あるいは震災を乗り越えていこうという強い決意を込めたエッセイも掲載されています。SF作家たちがかような切り口からものを書くのは意外に思われるかもしれませんが、彼らの問題意識を知り、打開策を模索する一助とするためにも、ぜひとも目を通していただけましたらありがたい限りです。

○SF Prologue Wave(片理誠): http://prologuewave.com/archives/570#extended
○東日本大震災について(町井登志夫): http://prologuewave.com/archives/571#extended

 『エンドレス・ガーデン―ロジカル・ミステリー・ツアーへ君と』の片理誠氏については、Prologue Waveでショートショートも公開されました。
 また、第5回日本SF評論賞選考委員特別賞受賞者の高槻真樹氏による「星新一展」のレビュー記事も掲載されておりますので、お楽しみください。

 そして、「SF Prologue Wave」のほかにも、若き才能が募るプロジェクトは、着々と進行しています。

 たとえば、第1回創元SF短編賞の最終候補作を集めた『原色の想像力』というSF短篇集が発売されました。

 創作に興味ある方、あるいは日常を一味違った切り口で捉えた方、新鮮な書き手によるSF短編をお求めの方は、『原色の想像力』にアクセスしてみてください。きっと損はしません。

 なお、『原色の想像力』に収められた短編「盤上の夜」(宮内悠介)は、アナログゲーム(囲碁)を題材にしたSF作品であり、Analog Game Studiesの読者の方には一見の価値があるでしょう。

原色の想像力 (創元SF短編賞アンソロジー) (創元SF文庫) [文庫] / 大森 望, 日下 三蔵, 山田 正紀 (編集); 東京創元社 (刊)

 ウェブを題材にしたプロジェクトと言えば、「SF Prologue Wave」に先駆け、東京創元社からはウェブマガジン「Webミステリーズ!」が毎月更新されています。

 創元SF短編賞受賞者の新作や、ヴィクトリア朝イングランドを舞台にした怪異譚『死美人辻馬車』等で知られる北原尚彦氏の古書探求コラムの連載など、非常に充実した内容となっております。
 SF関係の解説やレビューも多い号ですので、こちらもお楽しみください。

●Webミステリーズ!
http://www.webmysteries.jp/

エンドレス・ガーデン ロジカル・ミステリー・ツアーへ君と死美人辻馬車 (講談社文庫) [文庫] / 北原 尚彦 (著); 講談社 (刊)

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【A.SF評論の場合】


 イオ/角川春樹事務所が発行している、「小松左京マガジン」という雑誌があります。

 小松左京氏責任編集という形をとりながら、今回発売された41号まで、季刊のペースを崩さず、刊行を継続しています。

ksm41.jpg
小松左京マガジン 第41巻 [単行本] / 小松 左京 (編さん); イオ (刊)


 今回の41号では、SF評論関係の記述が、特に強化されています。
 

・石和義之「実存のラスト・イグニッション――男祭りとしての『日本沈没』」

・下村健寿「『復活の日』を生命科学史の中で考察する(1)」

・山田宏明「『果てしなき流れの果に』論――ヘーゲルとダーウィンとダンテの見た夢


 といったように、それぞれSFと高度消費社会、SFと生命科学、SFと最新の宇宙論との関わりを、「小松左京」という固有名を主体としつつ論じたものであり、『エクリプス・フェイズ』と現代社会との関わりを考えるためには、いずれも役に立つアプローチを提示してくれることと思います。


 本日25日に発売される「SFマガジン」2011年7月号では、第6回日本SF評論賞選考委員特別賞を受賞した「『高い城の男』――ウクロニーと易経」が掲載されます。『エクリプス・フェイズ』をプレイすると、時折フィリップ・K・ディックの目眩く狂気の世界を体感したような錯覚にとらわれることがあります。それは、『エクリプス・フェイズ』で表現されるポストヒューマニズムのあり方――あるいはキャラクターの「死」の位置づけ――によるのではないかと考えます。スタニスワフ・レムはディックを「にせ者たちに取り巻かれた幻視者」と評しましたが、ディックの世界と、『エクリプス・フェイズ』のポストヒューマニズムのあり方については、考えを深めていく必要があるのではないかと考えています。

 ディックといえば、『ハーモニー』が、フィリップ・K・ディック記念賞を受賞したことも記憶に新しいですが、彼の功績をどのように今後に活かしていくのかが、今後のSFの趨勢を占っていくのは間違いないでしょう。

 「SFマガジン」の特集記事は「伊藤計劃以後」となっておりますが、何より『エクリプス・フェイズ』は、伊藤計劃氏にこそ触れてほしかったRPGでもあります。

S-Fマガジン 2011年 07月号 [雑誌] [雑誌] / 早川書房 (刊)

 「伊藤計劃以降」の特集では、先に述べた八杉将司氏をはじめとした「Prologue Wave」の作家たち、また他の時代を担う作家たちを紹介したガイド記事、あるいは伊藤計劃氏の『ハーモニー』と英訳版のHARMONYの違いに焦点を当てた評論なども掲載されています。さらには、「現代SF作家論シリーズ」では、先ほどの石和氏によるアーシュラ・K・ル=グィン論も掲載されています。


 なお、下記のSF作家や評論家たちが集う下記のウェブサイトでは、数々のSF評論やコラムが公開されており、頻繁に更新がかかるので、ご興味のある方はチェックなさることをお薦めいたします。

●Speculative Japan:
http://speculativejapan.net/

●21世紀、SF評論:
http://sfhyoron.seesaa.net/


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【B.『エクリプス・フェイズ』参考資料の場合】


 『エクリプス・フェイズ』は、おそらく今まで発売されたSF-RPGの中でも、サイバーパンク以降のSF文学の美観に、最も正面から向き合った作品となっているのは間違いありません。

 『エクリプス・フェイズ』P.394に記載された参考資料には膨大なSF文学・コミックとグラフィックノベル・ノンフィクション・ロールプレイングゲーム・映画とテレビドラマ等がリスト化されていますが、ここでは、SF文学の参考資料表をそのまま引用し、邦訳があるものは付記いたしました。

 リストに抜けを見つけられた場合は、お手数ですが、Analog Game Studiesの公式窓口(analoggamestudies1★gmail.com)(★→@)にまでメールにてお知らせください。

Eclipse Phase Core Rulebook

Eclipse Phase Core Rulebook

  • 出版社/メーカー: Posthuman Studios, LLC.
  • 発売日: October 13, 2009
  • メディア: Hardcover, Full Color



 本稿のリサーチは、ライター/翻訳家集団「戦鎚傭兵団」に所属している、翻訳家の阿利浜秀明さまに行なっていただいた後、岡和田がチェックいたしました。この場を借りて、阿利浜さまに感謝いたします。

 はてさて、あなたは以下のSF文学をどれくらいお読みになったでしょうか? 

 『エクリプス・フェイズ』を楽しむための資料として、あるいは『エクリプス・フェイズ』から始まる読書ガイドとして、存分にご活用をいただけましたら幸いです。

 なお、参考資料に挙げられているSF文学が『エクリプス・フェイズ』といかなる影響関係にあるのかは、今後、また別の機会に特定の作品を取り上げ、考察していきたいと考えています。ご期待ください。


●Ian Banks/イアン・バンクス
The “Culture” Series
Consider Phlebas
The Use of Weapons
The Player of Games『ゲーム・プレイヤー』(角川文庫)
The State of the Art
Inversions
Excession
Look to Windward
Matter

●Greg Bear/グレッグ・ベア
Moving Mars『火星転移』上下巻(ハヤカワ文庫SF)
Queen of Angels『女王天使』上下巻(ハヤカワ文庫SF)
Slant『斜線都市』上下巻(ハヤカワ文庫SF)

●David Brin/デイヴィッド・ブリン
Earth『ガイア -母なる地球』上下巻(ハヤカワ文庫SF)
The “Earthclan” series
Startide Rising『スタータイド・ライジング』上下巻(ハヤカワ文庫SF)
The Uplift War『知性化戦争』上下巻(ハヤカワ文庫SF)
Sundiver『サンダイバー』(ハヤカワ文庫SF)

●Paul Di Filippo/ポール・ディ=フィリポ
Ribofunk

●Cory Doctorow/コリイ・ドクトロウ
Down and Out in the Magic Kingdom『マジック・キングダムで落ちぶれて』(ハヤカワ文庫SF)
Eastern Standard Tribe

●Greg Egan/グレッグ・イーガン
Axiomatic
Diaspora『ディアスポラ』(ハヤカワ文庫SF)
Distress『万物理論』(創元SF文庫)
Permutation City『順列都市』上下巻(ハヤカワ文庫SF)
Quarantine『宇宙消失』(創元SF文庫)

●Warren Ellis/ウォーレン・エリス
Crooked Little Vein

●Kathleen Ann Goonan/キャスリン・アン・グーナン
The “Nanotech Cycle”
Queen City Jazz
Mississippi Blues
Crescent City Rhapsody
Light Music

●Peter Hamilton/ピーター・ハミルトン
The “Commonwealth Saga”
Pandora's Star
Judas Unleashed
The “Greg Mandel Trilogy”
Mindstar Rising『マインドスター・ライジング』上下巻(創元SF文庫)
A Quantum Murder
The Nano Flower

●James Hogan/ジェイムズ・P・ホーガン
Voyage from Yesteryear『断絶への航海』(ハヤカワ文庫SF)

●Ken Macleod/ケン・マクラウド
The “Fall Revolution” series
The Star Fraction
The Stone Canal
The Cassini Division
The Sky Road
Newton's Wake『ニュートンズ・ウェイク』(ハヤカワ文庫SF)

●Richard Morgan/リチャード・モーガン
The “Takeshi Kovacs” series《タケシ・コヴァッチ》シリーズ
Altered Carbon『オルタード・カーボン』上下巻(アスペクト)
Broken Angels『ブロークン・エンジェル』上下巻(アスペクト)
Woken Furies『ウォークン・フュアリーズ』上下巻(アスペクト)
Thirteen

●Linda Nagata/リンダ・ナガタ
The Bohr Maker『極微機械(ナノマシン)ボーア・メイカー』(ハヤカワ文庫SF)
Deception Well『幻惑の極微機械(ナノマシン)』上下巻(ハヤカワ文庫SF)
Limit of Vision
Tech Heaven
Vast

●Frederick Pohl/フレデリック・ポール
Gateway『ゲイトウエイ』(ハヤカワ文庫SF)

●Alastair Reynolds/アレステア・レナルズ
Absolution Gap
Chasm City『カズムシティ』(ハヤカワ文庫SF)
The Prefect
Pushing Ice
Redemption Ark『量子真空』(ハヤカワ文庫SF)
Revelation Space『啓示空間』(ハヤカワ文庫SF)

●Kim Stanley Robinson/キム・スタンリー・ロビンスン
The “Mars Trilogy” (火星三部作)
Red Mars『レッド・マーズ』上下巻(創元SF文庫)
Blue Mars
Green Mars『グリーン・マーズ』上下巻(創元SF文庫)
The Martians

●Karl Schroeder/カール・シュレーダー
Ventus

●Dan Simmons/ダン・シモンズ
Endymion『エンディミオン』上下巻(ハヤカワ文庫SF)
Fall of Endymion『エンディミオンの覚醒』※上下巻(ハヤカワ文庫SF)
 ※Rise of Endymionの誤植と思われる
Llium『イリアム』上下巻(ハヤカワ文庫SF)
“Hyperion Cantos”
Hyperion『ハイペリオン』上下巻(ハヤカワ文庫SF)
Fall of Hyperion『ハイペリオンの没落』上下巻(ハヤカワ文庫SF)
Olympos『オリュンポス』全3巻(ハヤカワ文庫SF)

●Neal Stephenson/ニール・スティーヴンスン
Diamond Age『ダイヤモンド・エイジ』上下巻(ハヤカワ文庫SF)

●Bruce Sterling/ブルース・スターリング
Caryatids
Crystal Express
※『蝉の女王』(ハヤカワ文庫SF)収録作、ならびに「間諜」(『80年代SF傑作選』(ハヤカワ文庫SF)、「テリアムド」(「SFマガジン」1987年2月号)、「美と崇高」(『20世紀SF5』(河出文庫))、「小さな魔法のお店」(「SFマガジン」2000年12月号)、「江戸の花」(「SFマガジン」1986年10月号)、「アウタゴノストの聖餐」(「SFマガジン2003年12月号)の短編をそれぞれ集めたもの。
Holy Fire『ホーリー・ファイヤー』(アスペクト)
Schismatrix Plus
※『スキズマトリックス』(ハヤカワ文庫SF)とCrystal Expressの合本。

●Charles Stross/チャールズ・ストロス
Accelerando『アッチェレランド』(早川書房)
Glasshouse
Halting State
Iron Sunrise『アイアン・サンライズ』(ハヤカワ文庫SF)
Singularity Sky『シンギュラリティ・スカイ』(ハヤカワ文庫SF)
Toast

●Karen Traviss/カレン・トラヴィス(*)
City of Pearl

●Vernor Vinge/ヴァーナー・ヴィンジ
Across Realtime
A Deepness in The Sky『最果ての銀河船団』(創元SF文庫)
A Fire Upon The Deep『遠き神々の炎』(創元SF文庫)
Rainbow's End『レインボーズ・エンド』(創元SF文庫)
True Names and Other Dangers
※『マイクロチップの魔術師』(新潮文庫)と、未訳短編(共作含む)。

●Elisabeth Vonarburg/エリザベス・ヴォナーバーグ(*)
Slow Engines of Time

●Peter Watts/ピーター・ワッツ
Blindsight
“Rifters' Trilogy”
Starfish
Maelstrom
Behemoth ([ベータ※]-Max + Seppuku)
 ※ギリシア文字のベータ

●Scott Westerfeld/スコット・ウェスターフェルド
The Risen Empire
The Killing of Worlds

●Walter Jon Williams/ウォルター・ジョン・ウィリアムズ
Aristoi
Angel Station
Voice of the Whirlwind『必殺の冥路』(ハヤカワ文庫SF)

●David Zindell/デイヴィッド・ジンデル
The Broken God
Neverness『ありえざる都市』全2巻(ハヤカワ文庫SF)
War in Heaven.
The Wild

(*)2011年5月時点で資料に慣例表記が見つからなかったので、暫定的に宛てた人名です。読み方をご存知の方はお知らせください。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
『エクリプス・フェイズ』参考資料リスト(小説) by 阿利浜秀明(Hideaki Arihama)、岡和田晃(Akira OKAWADA) is licensed under a Creative Commons 表示 - 非営利 - 継承 3.0 非移植 License.

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【C.宇宙的恐怖の場合】

 あなたは「クトゥルフ神話」をご存知でしょうか? これはアメリカの作家ハワード・フィリップス・ラヴクラフトが生み出し、そしてラヴクラフトの死後も書き継がれてきた神話体系を意味します。

 彼の小説は、狼男や吸血鬼といった古典的なホラーの範疇に留まらず、また(天文学に代表される)科学的な批評意識を取り入れながら、ポオやダンセイニといった作家たちが形成した世界観を独自に咀嚼したものでもあり、「宇宙的恐怖(コズミック・ホラー)」と呼ばれる独特の色調を有しています。そして、そのスケール感は、ジェイムズ・ジョイスやミシェル・ビュトールといった、20世紀文学における最も冒険的な作家たちの仕事と遙かな照応を見せています。

 この「クトゥルフ神話」の「宇宙的恐怖」が、井上雅彦、伊藤潤二、高橋葉介ら各氏によって、ヴィジュアライズ、あるいは造形化されます。 

 東京都銀座の「スパンアートギャラリー」では、5月24日から「邪神宮 〜深〜 The Deep Exibition of Cthulhu」という展覧会が6月4日まで開催される予定となっています。

 かつて、SF評論家の野田昌宏氏は、「SFは絵だねェ」という名言を残しました。『エクリプス・フェイズ』においても、想像力を補完するアートワークの美しさは重要な要素となっています。

 加えて、『エクリプス・フェイズ』は、The Roleplaying Game of Transhuman Conspiracy and Horrorという副題にあるとおり、陰謀と恐怖が重要な主題となっていますが、宇宙を舞台に陰謀と恐怖を扱うという意味においては、ラヴクラフトの「クトゥルフ神話」の世界観とも響き合いを見せるでしょう。想像力の翼を広げるためにも、ぜひご来場ください。

邪神宮 [単行本(ソフトカバー)] / 岩井志麻子 (著); 児嶋都 (監修); 京極夏彦 (イラスト); 学習研究社 (刊)


邪神宮 〜深〜 The Deep Exibition of Cthulhu

期間:2011年5月24日(火)‐6月4日(土)
時間:11:00〜19:00 (最終日は17:00まで)※日曜休廊
場所:スパンアートギャラリー
住所:東京都中央区銀座2-2-18 西欧ビル1

http://natalie.mu/comic/news/48890



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【終わりに】

 今回は『エクリプス・フェイズ』に冠するSF文学をもろもろ紹介してきましたが、とても一回の紹介に収まる分量ではありません。ただ一つ確実に言えるのは、SF文学を知れば知るほど、『エクリプス・フェイズ』( http://analoggamestudies.seesaa.net/article/183475700.html )で描かれる世界をより楽しめるようになるということです。

 大事なので繰り返しますが、『エクリプス・フェイズ』は、ただ座して口を開き、楽しませてもらうことを待つ受身の時間潰しではまったくありません。ユーザーが積極的に楽しさを模索すればするほど面白さが増す創造的なRPGであり、また、ユーザーの創造性を引き出すための総合創作ツールとして捉えることもできる作品なのです。

 事実、『エクリプス・フェイズ』はCreative Commonsが付記された作品であり、ガイドラインに従えば、この設定を用いた小説やコミック、映像などの作成を自在に行なうことが可能となっています。

 いずれにせよ、あなたなりの『エクリプス・フェイズ』の楽しさを考えるにあたって、SF文学は格好のガイドとなってくれるでしょう。ぜひ、『エクリプス・フェイズ』に、そしてSF文学に触れてみてください。

 それでは次回にまたお会いしたく思います。


Eclipse Phase Quick-Start Rules

エクリプス・フェイズ Quick-Start Rules

  • 出版社/メーカー: Posthuman Studios, LLC.
  • 発売日: January 2011
  • メディア: 無料PDF




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Bibliography: EclipsePhase-2nd.pdf, EclipsePhase_QuickStartRules.pdf, PS+21200_EP_Sunward.pdf which all have been produced from Catalyst Game Labs and Posthuman Studios in 2009-10.

※読者の方のご指摘により、一部記述を修正済です。この場を借りて感謝いたします。(201109/09)
posted by AGS at 00:28| エクリプス・フェイズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月16日

『エクリプス・フェイズ』ゼロ年(Eclipse Phase: Year-0)―(3):無料ボードゲームの場合

『エクリプスフェイズ』ゼロ年―(3):無料ボードゲームの場合
 蔵原大

Homepage | Eclipse Phase
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 SFゲーム『エクリプス・フェイズ』(Eclipse Phase, http://analoggamestudies.seesaa.net/article/183475700.html )は未来の太陽系社会を扱った作品です。その中で描かれているテクノロジーや社会情勢が今のわたし達を原点としているのは言うまでもありません。サイエンス・フィクションをさらに理解し、さらに楽しみたいのだとしたら、まず現実のサイエンスをさらに理解し、さらに楽しむという所から入るのも一つの手法ではないでしょうか。

 そこで今後は"『エクリプス・フェイズ』ゼロ年"という連載コラムを通じ、未来技術・複数の領域での先端研究に関連しそうな研究成果・講演・セミナー等を随時ご紹介していきます。この第三回では『エクリプス・フェイズ』に関心をお持ちの方が楽しめそうな「ファミリーゲーム」「ボードゲーム」に関する内容といたしました。といいましても一般的な遊び用ゲームとは一味違った「無料」かつ「公共の場」(環境省やNASAなど)で活用されている「シリアスゲーム」を取り上げております。

 もともと『エクリプス・フェイズ』もまた「シリアスゲーム」的な側面のあるゲームです。デザイナーのロブ・ボイル氏(Mr.Rob Boyle)はその点を「私たちは『エクリプス・フェイズ』を通じて、単に楽しいSFゲームを生み出す以上のことを成し遂げたいと思い、また私たちが重要と考えたテクノロジーの発展によって引き起こされた現代の社会的・政治的な問題を紹介したいとも思っていました」( http://analoggamestudies.seesaa.net/article/199514106.html )と述べています。こうしたゲームを通じて見える現代社会の風景をお楽しみくだされますと嬉しい次第です。

 なお以前の記事も併せてお読みいただけますとありがたい限りです。

○「ゼロ年」第一回「東京大学の場合」: http://analoggamestudies.seesaa.net/article/198290624.html
○「ゼロ年」第二回「現役研究者ブログの場合」: http://analoggamestudies.seesaa.net/article/198693657.html


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【@.NASAと環境省の場合】

●The Space Place : Fall into a Black Hole!:
http://spaceplace.nasa.gov/en/kids/svlbi_do1.shtml (English Site)
 
 『エクリプス・フェイズ』は未来の太陽系を舞台にしたRPGです。まずはアメリカの「航空宇宙局」(NASA, http://www.nasa.gov/ )のサイトから始めましょう。ここでは「ブラックホールに落ちるぞ!」(Fall into a Black Hole!)という無料ゲームが紹介されています。この2〜4人で遊ぶスゴロク式ゲームでは「地球の軌道を離れて、別の銀河を探検する」(you will leave Earth orbit and go on to explore other galaxies)なかで、宇宙に関する探査活動の歩みを学ぶことになります(ルール等は無料ダウンロードできます)

NASA


 ちなみにこの「ブラックホール」ゲームには日本の電波望遠鏡(Japanese VSOP Radio Telescope)が登場します。1997年に打ち上げられたその人工衛星「はるか」についてはこちらをご参照ください( http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/missions/halca/index.shtml )。

 その他のNASA無料ゲームについては下記をご参照ください。木星の調査や光子を題材にしたゲームなどがありますよ。

○The Space Place : Games: http://spaceplace.nasa.gov/en/kids/games.shtml

―――――
●"エコプラントゲーム." 環境省.
http://www.env.go.jp/chemi/communication/kyouzai/eco_plant.html

 続いては『エクリプス・フェイズ』の未来世界では荒廃が進んでいる地球の状況をグローバルに考えるためのゲームをご紹介しましょう。

エコプラントゲーム
 
 上に示したのは環境省( http://www.env.go.jp/ )がウェブ上で無料提供している「学校の教材用」のゲームです。この「カードを用いた戦略思考型ゲーム」では「プレイヤーは工場長になって、エコプラント(工場)を1年間」経営することで、企業があげる利潤と環境保護との関係を体験することになります(ルール等は無料ダウンロードできます)。

 また環境省のご説明では「学んだことをもとに、より楽しくなるような工夫をして、どんどん発展させたオリジナルのゲームを作ってみてもいいでしょう。できれば、その成果を事例として環境省にもお聞かせください」ともありますので、皆様もゲームを無料ダウンロードされて楽しまれた後、その感想を先方にお伝えされるのはいかがでしょうか。

 同省では他にも無料のゲームを配信していますので、詳しくは下記をご参照ください。

○"化学物質などの環境リスクについて学び、調べ、参加する: 子供のページ" :http://www.env.go.jp/chemi/communication/kids.html
○"教材を配布したい方・掲載したい方へ": http://www.env.go.jp/chemi/communication/kyouzai/haifu.html

―――――
●Conflict Simulation :Philip Sabin :King's College London:
http://www.kcl.ac.uk/sspp/departments/warstudies/people/professors/sabin/index.aspx (English Site)

 以前にAGSで取り上げましたが、ロンドン大学キングズ・カレッジ( http://www.kcl.ac.uk/ )では史学講義の一環として無料ボードゲームが活用されています。講義をうけもつフィリップ・セイビン先生(Professor Philip Sabin)の講義用サイトからゲームを無料ダウンロードできますよ。

 詳細は「ウォーゲームを製作する歴史学の講義:フィリップ・セイビンの革新的試み」( http://analoggamestudies.seesaa.net/article/173944846.html )をご覧ください。

 ちなみにゲームと教育との連携という同様の試みは、九州大学の講義「ボードゲームの理論:「モノポリー」の経済学」でも行われています(こちらです→ http://syllabus.kyushu-u.ac.jp/search/preview.php?code=1190507208 )。


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【A.大英博物館の場合】

●British Museum - Senet:
http://www.britishmuseum.org/explore/families_and_children/online_tours/games/senet.aspx (English Site)
●British Museum - Board Games:
http://www.britishmuseum.org/explore/families_and_children/online_tours/games/board_games.aspx (English Site)

British Museum - Senet イギリスにある「大英博物館」では、昔のボードゲームに関する資料や出土品の画像を無料公開しています(ゲーム本体ではありません、残念!)。ここで取り上げた画像は古代エジプトのボードゲーム「セネト」(Senet)。私たちAGSでは以前に、この太古のゲーム※を「伝統ゲームを現代にプレイする意義(第2回)」( http://analoggamestudies.seesaa.net/article/173691672.html )で解説していますが、残念ながら日本では販売しているお店はないようです。どなたか、扱っている店舗をご存知の方はいらっしゃいますか?


※じつは古代インドの「チャトランガ」(将棋やチェスの祖先)はこちらの「ブリックスオンライン」で販売されていました( http://brics.co.jp/shop/70734.htm )。

盤上遊戯の世界史 さて「セネト」では二人のプレイヤーが7個の駒を操って勝敗を競うという話ですが、なにぶん最後にエジプトで遊ばれてから二千年以上が経過し、ルールについてはよく分からない点もあるのだとか。そうした古代ゲームの歴史を紹介した『盤上遊戯の世界史』という本が2010年に出ました( http://www.amazon.co.jp/dp/4582468136 )ので、この機会にお読みになられるといかがでしょう。ちなみに著者の増川宏一先生は将棋やチェスに関する史学研究者です。


 ちなみに大英博物館でも古代のボードゲームに関する本(Ancient Board Games in Perspective: http://www.britishmuseumshoponline.org/invt/cmc11537/ )を販売しています。それとは別にゲームの近現代史ということでしたら、こうした参考文献もありますよ。

○「紛争シミュレーション教育」の理論・実践・政治的利用に関する考察: http://www.fuyoshobo.co.jp/b-sen-4-8295-0507-6.html
○War and Games: http://www.amazon.co.jp/dp/0851158706


――――――――――――――――――――――――――――――――――
【終わりに】

 今回は無料のゲームということで幾つかご紹介しましたが、科学に関係するボードゲームはまだまだ沢山あります。『エクリプス・フェイズ』( http://analoggamestudies.seesaa.net/article/183475700.html )もそれらのゲームと共鳴を見せる作品ですが、将来、ゲームと先端科学との連携がどのような方向に進むのか、まだまだ未知数の要素が少なくないのが面白いところです。もしかしたらゲームの学術的利用に関する新しい「パラダイム」※が今まさに産まれようとしているのかもしれません。

 少し荒唐無稽でしょうか? 科学史を研究されている中山茂先生は、学問の発展についてこう説明されています。

 パラダイム自体は既成の体制の中で生まれるものではない。そもそも近代科学もスコラ学者が支配する大学の中からではなく、その外に発生した。大学は単に学者の生活を保証する場でしかなかった。
 ふつうパラダイムは既成アカデミズムの外、あるいは民間で生まれて、それが大学のような公的な機関の中に認められて入っていって、能率的に通常科学的な発展をする。近代科学が成立して、科学の専門化が進んで、もうなかなか民間でアマチュアの中からパラダイムが生まれるようなことがなくなっても、既成主流の通常科学の発展の鎖の中からパラダイムが生まれることは理論上ありえない。
(中川茂『20・21世紀科学史』NTT出版株式会社、2000年、pp.19-20: http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100001038


 それでは次回にまたお会いしたく思います。


※なおここでの「パラダイム」の定義は、トーマス=クーン、安孫子誠也・佐野正博共訳『本質的緊張2 科学における伝統と革新』(みすず書房、1992年: http://www.amazon.co.jp/dp/4622016923 )の「第十二章 パラダイム再考」「第十三章 客観性、価値判断、理論選択」で指摘されているように、専門家集団内の「専門母体」(共通要素)における主要な三点「記号的一般化」「モデル」「模範例」の総称とします。


Eclipse Phase Quick-Start Rules

エクリプス・フェイズ Quick-Start Rules

  • 出版社/メーカー: Posthuman Studios, LLC.
  • 発売日: January 2011
  • メディア: 無料PDF




クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
『エクリプスフェイズ』ゼロ年―(3):無料ボードゲームの場合 by 蔵原大(Dai Kurahara) is licensed under a Creative Commons 表示 - 非営利 - 継承 3.0 非移植 License.
posted by AGS at 12:40| エクリプス・フェイズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月14日

陰謀団ファイアーウォール(FIREWALL)とは何ぞや?

陰謀団ファイアーウォール(FIREWALL)とは何ぞや?
 蔵原大

Homepage | Eclipse Phase
※当ブログAnalog Game Studies(AGS)は『エクリプス・フェイズ』公式サイト(Homepage | Eclipse Phase: http://eclipsephase.com/ )で承認されているファンサイト(Fan Websites)の一つです( http://eclipsephase.com/resources )。なお記事中の訳語は暫定的なものなので今後の修正もありえる旨、御了解いただきたくお願いします。※

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【ファイアーウォール(FIREWALL)】

 SFゲーム『エクリプス・フェイズ』( http://analoggamestudies.seesaa.net/article/183475700.html )の無料簡易版(Quick-Start Rules)の冒頭では、このロールプレイングゲームにおけるプレイヤーの立場がこう設定されています。

 「ファイアーウォールに加われ。それは如何なる犠牲を払おうともトランスヒューマンを救おうと模索する超党派陰謀団のことだ。あるいは独自の計画を戴くキャラクターを演じたまえ」(Join Firewall, a cross-faction conspiracy that seeks to save transhumanity.at any cost. Alternately, play a character with their own agenda.)

Eclipse Phase Quick-Start Rules

エクリプス・フェイズ Quick-Start Rules

  • 出版社/メーカー: Posthuman Studios, LLC.
  • 発売日: January 2011
  • メディア: 無料PDF



 しかし当の「ファイアーウォール」とは何なのでしょう。それは消防団や自警団、それとも警察や正規軍なのでしょうか。なぜ「陰謀団」というウサン臭い呼称が付されているのでしょう。「トランスヒューマン」※を「救おう」というのはどういう意味なのでしょう。今回は既存の『エクリプス・フェイズ』ルールブックやサプリメントから抜粋訳出して、この非合法結社の概要をご紹介したく思います。

 ちなみに『エクリプス・フェイズ』デザイナーのロブ・ボイル(Rob Boyle)氏のコメントにあるように、このゲームが「私たちが重要と考えたテクノロジーの発展によって引き起こされた社会的・政治的な問題を紹介したい」ためのツールとして用意されたことは、架空の団体ファイアーウォールと現実の社会との関連を考える上で参考になるかもしれません( http://analoggamestudies.seesaa.net/article/199514106.html )。

 なお文中に※を付けた用語は、記事末尾に解説を入れています。

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■ ファイアーウォールの概要〔訳注:本文は英文基本ルールブック(Eclipse Phase: The Roleplaying Game of Transhuman Conspiracy and Horror, 2009)の84〜85頁を訳出〕( http://www.eclipsephase.com/releases )

 ファイアーウォールは「地球壊滅」※以後の「トランスヒューマン」※を守るための秘密の戦いにおいて最前線を担っています。ファイアーウォールとは複数の細胞組織や個人から成る独立したネットワークで、その構成員はありとあらゆる勢力・文化・背景・居住地から募集されます。新たな構成員となりそうな人物は内々に接触を受け、君の持つ技能や知識をトランスヒューマンの永続的生存を保障すべく努力している秘密のネットワークに役立てないかと誘われます。ファイアーウォールの理念は単純:実世界にある諸々の脅威、それがトランスヒューマン社会の内部に端を発するのであれ、外部の地球外生命体に由来するのであれ、とにかく危機からトランスヒューマンを保護するというものです。

 ファイアーウォールの工作員は「監視員」(sentinels)と呼ばれ、単独行動や自前の資源を活用するよう奨励されます。監視員は「目」(Eye)と呼ばれる社会ネットワークに連結されており、それによって援護、追加の技能、資源を得ることができます。このネットワーク中に監視員が有している「i-rep」※は、監視員がどの程度信用されているのかという指標であり、助けを求める際に何が得られるかを決定する要素です。またファイアーウォールは、例えば「人格データ投射」※や「身体の再着用」※の必要があるならば、多額の資金や大量の兵站物資を供出します。監視員がファイアーウォールの作戦中に落命する場合、「皮質記憶装置」※もしくは「バックアップ」※を通じての死後の復活を保障されています。

 監視員は呼出しを受ければいつでも駆けつけるのが在るべき姿です。例えば、近くで何か問題が起きたとか、自分の特別な資質が求められている、そういう場合には仕事を引き受けなければいけません。監視員は任務のたびにそれにふさわしい臨時の特別チームを組まされて投入されるのが通例です。多くの監視員はファイアーウォールの任務を完遂した後には自ら信ずるところに従って行動しますが、ファイアーウォール関係の長期に渡る様々な任務に関して、監視員の複数チームが連絡を取り合ったり、情報の共有、共同で作業を続けることも珍しくありません。

 ファイアーウォールの基本的な作戦は、ファイアーウォールの分権的資産を確保する「代理人」(proxies)と呼ばれる工作員によって組織・運営されています。典型的な代理人は個々の監視員よりも沢山の情報を所持しており、任務遂行に必要と判断すれば、各監視員の「i-rep」※及び監視員が知るべきか否かに応じて情報を提供します。各代理人が採る接触・任務説明を始めとした諸々の行為の手法は千差万別です。

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■ ファイアーウォールと他の勢力との関係〔訳注:基本ルールブックの361頁「FIREWALL AND OTHER ORGANIZATION」の一部、サプリメント『サンワード』(Eclipse Phase: Sunward, 2010)の156頁「FIREWALL」の一部を抜粋訳出しました〕( http://www.eclipsephase.com/releases )

○ 内圏(Inner System、木星軌道の内側:訳注)との関係:内圏にある殆どの勢力は、ファイアーウォールのことを「違法なゴロツキ集団」であって無政府主義者に操られて社会の中枢を脅かす連中であると見なしています。逆に一部のハイパーコーポ(EP世界を牛耳る大企業:訳注)はファイアーウォール内部にこっそり権力を及ぼし、自らの目的のために、例えば他のハイパーコーポや勢力に対するスパイ活動や破壊工作等に彼らを活用できると考えています。

○ 木星共和国(Jovian Republic)との関係:木星の軍事独裁政権はファイアーウォールとそれに関係する物を全て毛嫌いし、自国の勢力圏内に存在するファイアーウォールの活動にはどんな些細なものであれ攻撃を仕掛け、その際には極端な手段の行使を厭いません。

○ タイタン(土星の衛星にある民主国家:訳注)との関係:タイタン市民の中でも事情通の大半はファイアーウォールの活動に必ずしも敵対的ではなく、ファイアーウォールは規制をかけられた上で合法化されるべきだと考えています。

○ 惑星連合(Planetary Consortium、EP世界における最大勢力:訳注)との関係:惑星連合は公式にはファイアーウォールの存在を否定しています。非公式には捕らえられてファイアーウォールの一員だと判明した人物は「オーバーサイト」※に引き渡され厳しい処置を受けた末、おそらくは「プロジェクト・オズマ」※への転向を迫られ、あっさり行方不明となるでしょう。ファイアーウォールと惑星連合とは特別な状況下でなら戦術的目標を共有できる可能性がありますが、戦略的目標の点ではまず間違いなく敵対しています。さらにファイアーウォールはこれまで、惑星連合に属する様々なハイパーコーポや部局が行っている諸計画の矛盾点を利用することも少なからずありました。

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■ 訳者による用語解説〔下記用語の一部はEclipse Phase: Quick Start Rulesの6頁「TERMINILOGY」でも解説されています〕

○ 地球壊滅(the Fall):EP世界における地球は大戦争によって焦土と化しました。詳しくはこちらの記事を参照(http://analoggamestudies.seesaa.net/article/183475700.html)。

○ トランスヒューマン(transhuman):EP世界における遺伝子強化、肉体を機械に置き換えた等の処置を受けた新しい人類形態の総称です。詳しくはこちらの記事を参照(http://analoggamestudies.seesaa.net/article/183475700.html)。

○ i-rep:未来経済における電子通貨の一種で、組織内における信用と引き換えに財貨や情報を獲得する際の指標となります。詳しくは英文基本ルールブックの357頁「OPTIONAL RULE: I-REP」を参照。

○ 人格データ投射(egocasting):通信回線を通じて人格データを送信することを言い、非常な遠距離の旅行、例えば太陽の近くから木星軌道に向かう場合などに行われます。詳しくは英文基本ルールブック(2009)の275〜276頁「EGOCASTING」を参照。

○ 身体の再着用(resleeving):人格データ(文学的には「魂」に相当します)を新しい物理的身体(人間の肉体・機械など諸々を含みます)に移し変える行為です。EP世界では新しい身体に乗り換えることは身体の死亡や「人格データ投射」時に行われる普通の処置です。詳しくは英文基本ルールブック(2009)の270〜272頁「RESLEEVING」を参照。

○ 皮質記憶装置(cortical stack):大脳皮質の奥に埋め込まれた記憶装置で、脳に宿る人格データ(人格・記憶・技能)を記録します。皮質記憶装置を持っている人が死亡した場合、装置を回収すれば内部のデータを別の新しい身体に移し変えてもらえれば、事実上の「復活」をはたすことができます。詳しくは英文基本ルールブック(2009)の268〜270頁「BACKUPS AND UPLOADING」を参照。

○ バックアップ(backup):EP世界では不測の事態を想定し、人格データの予備を第三者の外部記憶装置に委託する有料の保険サービスが(とりわけ危険な目に会いそうな職種の間で)流行っています。この予備データを称して「バックアップ」と言います。詳しくは英文基本ルールブック(2009)の269〜270頁と330〜331頁にある「BACKUP INSURANCE」を参照。

○ オーバーサイト(Oversight):ハイパーコープの大同盟である惑星連合に属する機関「公正自由市場監督局」(Oversight Directorate for Fair and Free Markets)のことです。主な業務は市場経済における不正取引の摘発等ですが、その権限は他の機関からの掣肘を受けることなく拡大し、今では惑星連合に敵対的な勢力(無政府主義者・生物学的保守主義系テロリスト・犯罪組織その他......)に対する処理もまた担当しています。詳しくはサプリメント『サンワード』(2010)の150〜152頁の「OVERSIGHT」を参照。

○ プロジェクト・オズマ(Project Ozma):惑星連合に属する情報機関ですが、存在するという点以外の詳細は謎に包まれています。詳しくは英文基本ルールブック(2009)の85頁「PROJECT OZMA」を参照。

〔訳者注意:ファイアーウォールの真の歴史、暴力性、長期戦略に関しては英文基本ルールブック(2009)の355〜361頁で説明されています。ですが、そうした極秘情報は普通の市民や下級の監視員には知るすべがありませんから、知っている等と公言する連中は嘘つきでなければ組織の機密を漏洩する反逆者に違いありません。同士諸君、逆賊に死を!!〕


Eclipse Phase Quick-Start Rules

エクリプス・フェイズ Quick-Start Rules

  • 出版社/メーカー: Posthuman Studios, LLC.
  • 発売日: January 2011
  • メディア: 無料PDF




クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
陰謀団ファイアーウォール(FIREWALL)と何ぞや? by 蔵原大(Dai Kurahara) is licensed under a Creative Commons 表示 - 非営利 - 継承 3.0 非移植 License.

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Bibliography: EclipsePhase-2nd.pdf, EclipsePhase_QuickStartRules.pdf, PS+21200_EP_Sunward.pdf which all have been produced from Catalyst Game Labs and Posthuman Studios in 2009-10.

※読者の方のご指摘により、一部記述を修正済です。この場を借りて感謝いたします。(201109/09)
posted by AGS at 17:51| エクリプス・フェイズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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