2011年01月17日

SF乱学講座「ウォーゲーム(図上演習)の歴史:クラウゼヴィッツ、H.G.ウェルズからオバマ大統領まで」(2011年2月6日)

 Analog Game Studiesのメンバーによる公開講義が開催されます!

 Analog Game Studiesの蔵原大氏が、SF乱学者/科学ジャーナリストの大宮信光さまが後見人をつとめる市民講座「SF乱学講座」にて、公開講義を開催します。

 「SF乱学講座」とは、大宮信光さまや作家の石原藤夫さまらによる「SFファン科学勉強会」から数えて40年以上の歴史を誇る市民講座で、誰でも参加できます。
 自然科学についての考察が強いのはもちろん、自然科学の範疇にとどまることなく、それこそ森羅万象を考察の対象としているユニークな会合です。
 「S-Fマガジン」をお読みの方でしたら、いちどは「SF乱学講座」の告知を目にされたことがあるのではないでしょうか。

 Analog Game Studiesにて「伝統ゲームを現代にプレイする意義」を好評連載中の草場純さまも参画なさっており、何度も講師をつとめていらっしゃいます。
 アナログゲームについての講義もたびたび行なわれており、ゲームとSFとの架け橋となる市民講座であるのみならず、広い意味での知的好奇心を満たす分野としてのSFの可能性を、現場から考えていくためにうってつけのイベントであるものと思います。

 質疑応答の時間もたっぷり取られており、講師との対話も可能な双方向的な市民講座だということも、SF乱学講座の大きな特徴を為しています。
 蔵原氏の記事を楽しまれている方、ぜひとも本講座で蔵原氏と対話を試みられてはいかがでしょうか。

 今月25日発売予定の「S-Fマガジン」2011年3月号にも告知が掲載されることと思いますが、一足早く、Analog Game Studiesでも「SF乱学講座」のホームページに掲載された情報をお知らせいたします。
 それでは2月6日、高井戸でお会いいたしましょう。(岡和田晃)


―――――――――――――――――――――――――――――
【外部活動紹介】SF乱学講座「ウォーゲーム(図上演習)の歴史:クラウゼヴィッツ、H.G.ウェルズからオバマ大統領まで」
 蔵原大

―――――――――――――――――――――――――――――

※以下、「SF乱学講座」ホームページより引用となります。

―――――――――――――――――――――――――――――

SF乱学講座2011年2月の予定
タイトル:「ウォーゲーム(図上演習)の歴史:クラウゼヴィッツ、H.G.ウェルズからオバマ大統領まで」

講師  :蔵原大氏 (軍事問題研究会研究委員)


講師紹介:
 1972年横浜生まれ。戦略学/歴史学の立場から19世紀以来のウォーゲームの研究をしている。戦略研究学会の学会誌「戦略研究」(http://www.j-sss.org/hakko.html)に論文・翻訳を発表。
 特に歴史学の成果に基づく戦略研究での「紛争シミュレーション教育」あるいはウォーゲーミング(図上演習の方法論)の史学研究および紹介をその専門とする。


内容紹介:
 皆さま、こんにちは。
 蔵原と申します。今回は宜しくお願いいたします。

 二月六日の講座で扱いますのは、チェスから発達した「ウォーゲーム」(図上演習)、すなわち武力紛争を模擬した公式競技が辿ってきた約一世紀半の歴史、そして今日における学術的・政治的現状です。

 ご注意いただきたいのは、講座ではアーケードゲーム等の「娯楽ゲーム」に関しては(ご質問を受ければ別ですが)基本的には言及を避けさせていただきます。あくまで発表者が専門とする最古の「シリアスゲーム」の歴史、クラウゼヴィッツ風にいえば「他の手段をもってする政治の継続」としての「ウォーゲーム」の社会的文脈につきまして、ほんの基本的な情報を開陳できましたら幸いに思います。

 なおこの場を借りて二月の講座の概要を申し上げますと、それはナポレオン戦争の余波として19世紀プロイセン軍が生み出した職業軍人創出のための教材「クリークシュピール」(=ウォーゲーム)に始まり、20世紀にはH・G・ウェルズ等のSF作家によって娯楽に転用され、そして21世紀の現在、アメリカ初の有色人種大統領であるオバマ氏がその就任に際して「ホワイトハウス・ウォーゲーム」を行なうほどに政治の分野で少なからぬ影響を及ぼしている「ウォーゲーム」(図上演習)の歴史と背景についての概説ということになります。現実の政治家や平和学者の方々も実演してきたウォーゲームとはどんな物なのか、実物を展示しながらお話をしたく考えております。

 さらに講座ではウォーゲームの史学的解説に加え、現代の欧米における「軍産複合体」がゲームの分野でどのような姿をとっているのか、またゲームという形式で発信されるプロパガンダの事例につきましても簡便にご説明したく思います。心理操作という概念は、かつてはSFの領分であったように思われた方もおいでかもしれませんが、今や心理学やゲームに関する技術開発はSFの物語を凌駕せんとするかの如くです。『孫子』「計篇第一」に「兵者詭道也」(戦うとは人を騙すことだ)とありますが、様々な公共ゲームが「人を騙す」様についての説明をお楽しみいただけますなら、ありがたい限りです。

 ここで二月の講座に関しまして日本語の参考文献をご紹介いたします。(特にお読みになられる必要はないのですが)以下がご理解のお役に立つのではないかと思います。

○ クラウゼヴィッツ著、清水多吉訳『戦争論(上)』(中央公論新社)
○ 蔵原大「20世紀のウォーゲーミング(図上演習の方法論)に関する歴史」『戦略研究』(第6号、芙蓉書房)
○ 秦郁彦編『太平洋戦争のif[イフ]』(中央公論新社)
○ フィリップ・セイビン著、蔵原大訳「歴史上の紛争を表現するシミュレーション手法」『戦略研究』(第8号、芙蓉書房)。
○ ピーター・P・パーラ『無血戦争』(絶版)。
○ ジェームズ・F・ダニガン『ウォーゲーム・ハンドブック』(絶版)。

 皆様からのご質問・ご批判・ご叱咤等は喜んで拝聴したく思いますので、ご出席の程、宜しくお願い申し上げます。それではあとは二月六日にお会いしたい次第です。

 なおご参考までに、Analog Game Studies. ( http://analoggamestudies.seesaa.net/ )の下記記事もご一読いただけますと幸いです。

○ 【レビュー】ウォーゲームを製作する歴史学の講義:フィリップ・セイビンの革新的試み(蔵原大)
( http://analoggamestudies.seesaa.net/article/173944846.html )

○ 【レビュー】秦郁彦編『太平洋戦争のif[イフ]』(2010):歴史学者の秦郁彦と戸高一成、ウォーゲームにて激突す!(蔵原大)
( http://analoggamestudies.seesaa.net/article/172911744.html )



開催日時:2011年2月6日 日曜日 午後6時15分〜8時15分
参加費 :千円
会場  :高井戸地域区民センター3F(http://www.yoyaku.city.suginami.tokyo.jp/HTML/0002.htm

                                                     以上

会場は、京王井の頭線高井戸駅のプラットホームから見えています。特大の煙突が目印です。
駅の改札口をでてすぐの歩道橋で、環状8号道路をわたって下さい。
そこから、井の頭線沿いの横道を少し入って、左に少し入った右手の建物に入り、エレベーターでB1から三階へ上がって下さい。

いつも近くで二次会をやっています。だいたい10時くらいまでです。

SF乱学講座はどなたでも参加できる公開講座です。


事前の申込は必要ありません。開催日に会場へ直接お越し下さい。


【SF乱学講座のホームページ】
http://www.geocities.co.jp/Technopolis-Mars/5302/


photo01.jpgphoto02.jpg
posted by AGS at 22:58| 外部活動紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月04日

「忘れたという、その空白の隙間で−−門倉直人『ローズ・トゥ・ロード』試論」(「21世紀、SF評論」)

【外部活動紹介】「忘れたという、その空白の隙間で−−門倉直人『ローズ・トゥ・ロード』試論」
 岡和田晃

―――――――――――――――――――――――――――――

 Analog Game Studiesにおける活動ではありませんが、Analog Game Studiesメンバー(今回は岡和田)の活動のうち、Analog Game Studiesの読者の方々へ、特にご紹介したい活動がひとつございます。

 日本SF評論賞チームの公式ウェブログ「21世紀、SF評論」に、Analog Game Studiesでもレポート記事が掲載された会話型RPG『ローズ・トゥ・ロード』について、物語論の知見から分析した長篇評論「忘れたという、その空白の隙間で−−門倉直人『ローズ・トゥ・ロード』試論」を掲載いただいております。主にトールキンの凖創造論を軸として、「門倉直人」という固有名を物語論(ナラトロジー)の地平に思いきり引き寄せる作業を行ってみました。


「忘れたという、その空白の隙間で−−門倉直人『ローズ・トゥ・ロード』試論」(「21世紀、SF評論」)
http://sfhyoron.seesaa.net/article/173296285.html


 昨年私がSF乱学講座という市民講座で公開講義を行なった際、聴講されていた翻訳家の増田まもるさま(J・G・バラード『千年紀の民』の翻訳が近刊予定)から、アナログゲームの有する可能性の一つに、いわゆる(フィクションにおける)オールドウェーヴの「読み直し」があるのではないかというコメントをいただきました。


 ここから翻って考えるに、アナログゲームが既存のフィクションの「読み直し」として機能するとすれば、フィクション内部での革新運動、例えばSFのニューウェーヴ運動については、ゲームという文脈でいかなる「読み直し」を与えられるのでしょうか?

 かつて「オフィシャルD&Dマガジン」誌ではライターの藤川俊一氏と滝祐一氏との対談において、J・G・バラードの「時の声」と『ダンジョンズ&ドラゴンズ』が同一の地平で語られましたが、そこで示唆された「読み直し」の位相の重要性は、増田まもるさまのご指摘と相俟って、今後ますます高まりを見せるのではないかと思われます。


 例えばニューウェーヴ運動は、ラングドン・ジョーンズの編纂したアンソロジー『新しいSF』に象徴されるように、時代が要請した最も先鋭的な表現でもありました(ジョーンズとともにニューウェーヴ運動を牽引したマイクル・ムアコックは『新しいSF』の序文において、『新しいSF』収録作を「読者志向」であり、「大衆との関わりを念頭に置いている」と告げています!)。

 そして今回の論考では、あくまで試論レベルではありますものの、そうした地点を瞥見することができたと自負しております。どうぞ、ご笑覧いただけましたら幸いです。


 また今後は、【外部活動紹介】というカテゴリーのもと、Analog Game Studies外で(主にメンバーや協力者の手で)発表された論考や作品、講演活動などをもご紹介していく予定でございます。ご期待下さい。


 なお、増田まもるさまが管理人をつとめられるニューウェーヴ/スペキュレイティヴ・フィクションのサイト、「Speculative Japan」(http://speculativejapan.net/)は、Analog Game Studiesをブログロールに登録して下さっています。「ゲームについての思弁が人間理解に欠かせないことは、いうまでもありません」とのお言葉を下さった増田まもるさまに感謝いたしますとともに、今後ともいっそうの友誼をお願い申し上げる次第です。(岡和田晃)

新しいSF (1979年) (サンリオSF文庫) [文庫] / 野口 幸夫 (翻訳); サンリ...

posted by AGS at 23:35| 外部活動紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。