2011年07月07日

ファイアウォールへようこそ:エクリプス・フェイズ紹介(その1)

 これまでAnalog Game Studiesでは、新世紀のポストヒューマンRPG『エクリプス・フェイズ』について、力を入れて紹介を行なって参りました。継続してAnalog Game Studiesをお読みいただいている方々には、『エクリプス・フェイズ』が巨大なゲームであり、情報科学や歴史学あるいは現代思想とのさまざまな接点を有した作品であることをご承知かと思います。

 こうした切り口の紹介も引き続き掲載していきますが、その一方、7月30日の「Role & Roll Station」における『エクリプス・フェイズ』体験会でゲストGMを務めるゲームデザイナーの朱鷺田祐介さまの手になる、これまで会話型RPGに親しんできた方々へ向けた『エクリプス・フェイズ』の紹介文が、ウェブログ「黒い森の祠」で連載開始されました。朱鷺田祐介さまのご許可をいただきまして、Analog Game Studiesに全文転載させていただきます。

 『エクリプス・フェイズ』におけるプレイヤー・キャラクターの立ち位置について、PCが所属する代表的組織の一つ「ファイアウォール」を活かす形を意識した、簡潔にして的を射た紹介になっております。サークルやコンベンションでの『エクリプス・フェイズ』紹介に、そのまま活用できそうですね。『エクリプス・フェイズ』のストレートな入門とするのもよし。Analog Game Studiesメンバーの記事と併せてお読みいただき、『エクリプス・フェイズ』の幅広い魅力を感じていただくのもよし(ただし、訳語は異なる部分がありますので、ご注意ください)。
 なお本稿は朱鷺田祐介さまのウェブログ「黒い森の祠」からの転載であるため、初出時の時事的内容については、再掲の際にずれが生じる場合があります。あらかじめご了承ください。

 現代SFの粋を取り入れた、新しいRPGをお楽しみください。(岡和田晃)

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ファイアウォールへようこそ:エクリプス・フェイズ紹介(その1)

 朱鷺田祐介

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Homepage | Eclipse Phase
当ブログAnalog Game Studies(AGS)は『エクリプス・フェイズ』(または『イクリプス・フェイズ』)公式サイト(Homepage | Eclipse Phase)で承認されているファンサイト(Fan Websites)の一つです( http://eclipsephase.com/resources )。

 7月30日に、 Eclipse Phase体験会@R&Rステーションで、SF-TRPG「エクリプス・フェイズ/Eclipse Phase」のGMをすることになりましたので、私の復習も兼ねまして、少しずつEPの記事をここ(編注:朱鷺田祐介公式ブログ「黒い森の祠」)でも書こうと思います。ただし、締切りの最中なので、少しずつ、少しずつ。

 公式サイトの方もぜひチェックしてください。

 イラストが実にかっこいいです。


Eclipse Phase Core Rulebook

Eclipse Phase Core Rulebook

  • 出版社/メーカー: Posthuman Studios, LLC.
  • 発売日: October 13, 2009
  • メディア: Hardcover, Full Color





●エクリプス・フェイズ(Eclipse Phase)の世界観

 「シャドウラン4th」のライン・ディベロッパーだったロブ・ボイルが作った「エクリプス・フェイズ」(ポスト・ヒューマン・スタジオ)は、人が「精神(Ego)」をデジタル化し、自由に「義体(Morph)」に移したり、セーブしたりできるようになった未来を舞台にしたSF-RPGです。トランスヒューマンSFというのは、そのようにして、人類が変革、あるいは、進化の途中にあることを示します。

 「エクリプス・フェイズ」の裏表紙に書かれた4行の宣伝文句は、この時代を端的に著しています。

Your mind is software. Program it.
Your body is a shell. Change it.
Death is a disease. Cure it.
Extinction is approaching. Fight it.

心はソフトウェア。      プログラムせよ。
肉体は入れ物に過ぎない。   交換せよ。
死は単なる病気だ。      治療せよ。
絶滅の危機が近付いている。  立ち向かえ。


 参考文献には、いわゆるサイバーパンクやシンギュラリティ系のSFと並んで、「攻殻機動隊」アニメ版全シリーズが列挙されているのは、まさに、ああいう世界を遊びたいのだというデザイナーの主張なのでしょう。

 そのおかげで、シャドウランよりさらに過激な身体強化(「イーオン・フラックス」に出てくる足が手の人)やユニークな義体(フチコマ風、群体、蛇型、あるいはドロッセル風)の使用、あるいは、異民族としてのAIキャラクター「インフォモルフ/情報義体」、猿や鴉、タコを知性化した「アップリフト/知性化種」などがプレイできます。


●世界絶滅の危機から10年(After Fall 10)

 世界はすでに滅びかけています。

 この時代、人類は太陽系全土に広がり、惑星や衛星、小惑星に拠点が築かれ、宇宙開発を進めていましたが、戦術統括AI「TITANs/ティターンズ」が覚醒して人類に叛旗を翻し、地球は壊滅しました。人類の90%以上が死滅し、生き残った人々も、肉体すら失った「インフォリフュージ/情報難民」として、月や他の惑星にある開拓地、あるいは、宇宙に浮かぶ人工居住区(ハビタット)で暮らしています。

 ティターンズはなぜか消えました。理由は分かっていませんが、世界はいくつもの勢力に分かれ、混乱し、反目と対立の中にあります。

 そして、「破滅(ザ・フォール)」から10年目の世界が「エクリプス・フェイズ」の現在です。

 PCたちは人類に迫る「絶滅危機のリスク(Extinction Risk)」と戦う秘密結社「ファイアウォール」のメンバー、「センチネル(前哨)」として、さまざまなミッションに立ち向かっていくのです。

 そのミッションは色々あります。例えば……。

・人類を滅ぼしかけたティターンズの遺物の調査
・人類の危機よりも利潤を優先するハイパーコープの危険な実験の阻止
・人類に多大な被害を与えかねない国家間、勢力間の陰謀や軍事行動の妨害
・人類が生き残るために必要な知識を、ハイパーコープや独裁国家の隠蔽から奪い返す。
・パンドラ・ゲートの向こう側にある宇宙文明の調査


 「エクリプス・フェイズ」は現代SFの粋を取り入れ、新たに創り上げられた宇宙冒険SFなのです。

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第2回はこちらで読めます。

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朱鷺田祐介(ときた・ゆうすけ)
 TRPGデザイナー、ライター。スザク・ゲームズ代表。『シャドウラン4th Edition』の翻訳をシャドウランナーズとともに務める。代表作は『ブルーローズ・ネクサス』、『深淵 第二版』(ともにエンターブレイン)、『真・女神転生TRPG 魔都東京200X』(ジャイブ)など。TRPG以外の著作に『クトゥルフ神話ガイドブック』、『超古代文明』など(すべて新紀元社)。
 (『シャドウラン4th Editionリプレイ 旅する天使たち』新紀元社、2010より)
posted by AGS at 14:42| エクリプス・フェイズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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