2012年06月12日

日本シミュレーション&ゲーミング学会2012年度春季全国大会参加報告


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日本シミュレーション&ゲーミング学会2012年度春季全国大会参加報告

 小春香子

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 2012年6月2日―3日に流通経済大学で行われていた「日本シミュレーション&ゲーミング学会」(以下、JASAGと表記)2012年度春季全国大会に参加してまいりました。仕事の関係上、きちんと参加することが出来たのは一般学術セッションのU〜V(懇親会を除く)のみで、メインであるパネルディスカッションにはラスト20分しか参加できませんでした。面白そうなテーマだっただけに残念です。

NPO法人 日本シミュレーション&ゲーミング学会 公式サイト
http://jasag.org/

 パネルディスカッションの参加者は30人程度でした。広い会場でしたので、実際の参加者数以上に閑散としてしまっていた印象があったのですが、一般学術セッションでは各部屋に15〜20人程度集まって発表を聞いたり議論をしていたりしてかなり盛況だったように思います。大学教授や学生などのほか、ゲーミング教材の制作会社の方、地域づくりや開発教育関係のNPOで活躍されている方、中高教員など参加者層も幅広めであったように思います。学術セッションに、国際政治のダイナミズムをシミュレーション&ゲーミングで学ばせる、という実践の発表があったせいか、ムスリムの留学生が学生ボランティアから同時通訳を受けていたのが印象的です。

 一般学術セッションでは、私の専門がシミュレーション&ゲーミングによる教材活用なのでそうした系統ばかりを聞いていましたが、数年前に始めて論文集を見たときよりかなり幅広い専門性の方が集まっている印象です。またシミュレーション&ゲーミングのテクニックにしても、過去のJASAGの論文集やセッションで紹介されたものを自分の教材に落とし込んで新しい発見や手法の深化を行っている実践の紹介が多かったので、学会の中での学びが深まっていることに感動しました。シミュレーション&ゲーミングがテーマのセッションでは、どのセッションでも必ず「複雑な現実をどこまでシミュに落とし込み、ゲーム性(数値パラメータ)だけを追う現実から乖離した展開を防ぐにはどうしたらいいか」といった議論が形を変えて行われていましたので、シミュレーション&ゲーミングの永遠の課題はやはりこの問いに集約していくではないでしょうか。「何のためにこの現実をシミュレーション&ゲーミングにするのか」という意識がはっきりしている実践が成果を挙げている報告が多かったです。

 いろいろな実践報告を受けて、共通していたのは「そのゲームの対象について全く知らない状態ではなく、ある程度の予備知識を得た状態(学習の入門期の集大成)で行う」実践、「たとえシミュレーションが現実と違う展開になったとしても、それを踏まえてさらに学びを進化させられる体制が整っている」実践がこの問いをクリアーできている(出来そうである)のではないかと考えられる学会でした。


posted by AGS at 18:36| レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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